【防災士が解説】学校大雪対策が後回しにされやすい理由

学校防災の中でも、大雪対策は後回しにされがちです。学校安全の現場を見てきた立場から言うと、「分かってはいるが手が回らない」構造的な理由が存在します。その背景を理解することが、実効性ある対策につながります。


■① 発生頻度が低いと認識されやすい

多くの学校では、大雪は「毎年必ず起きる災害」と認識されにくく、優先度が下がりがちです。被災地でも「まさかここまで降るとは思わなかった」という声が非常に多く聞かれました。


■② 地震・不審者対応が優先されやすい

学校防災では、地震・火災・不審者対応が中心になり、大雪は「季節限定のリスク」として扱われがちです。その結果、具体的な備えが整わないまま冬を迎えるケースがあります。


■③ 判断基準が曖昧になりやすい

大雪対応は「何センチ積もったら休校か」といった明確な線引きが難しく、判断が後回しになりやすい特徴があります。判断を先延ばしにした結果、事故につながった事例もありました。


■④ 責任の所在が不明確になりやすい

大雪時の判断について、「教育委員会の指示待ち」「前例がない」という理由で対応が遅れる学校も少なくありません。責任回避の心理が、対策を形骸化させる要因になります。


■⑤ 目に見える危険が少ない

地震の揺れや火災と違い、大雪はゆっくり進行します。そのため、危険が可視化されにくく、「まだ大丈夫」という判断が続いてしまいます。


■⑥ 教職員の負担増を懸念しやすい

除雪や見回りなど、大雪対応は教職員の負担が増えるため、事前準備を避けたい心理が働くこともあります。被災地では、準備不足が逆に負担を増やしていました。


■⑦ 保護者との調整が難しい

休校や下校判断は、必ず保護者対応が発生します。この調整を避けたいという思いが、判断の遅れにつながるケースも見られます。


■⑧ 「何も起きなかった経験」が油断を生む

過去に大きな事故がなかった学校ほど、「今年も大丈夫だろう」という正常性バイアスが働きやすくなります。これは被災地で何度も見てきた典型例です。


■まとめ|後回し構造を理解することが第一歩

学校の大雪対策が遅れがちな背景には、個人の怠慢ではなく構造的な理由があります。

結論:
大雪対策は「起きてから考える」災害ではなく、「起きにくいからこそ備える」災害である。

防災士として現場を見てきた経験上、大雪対策を後回しにしなかった学校ほど、判断が早く、事故を防げています。理由を理解し、意識的に優先順位を引き上げることが重要です。

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