山梨県上野原市の扇山で発生した山林火災は、発生から5日が経過しても鎮火の見通しが立たず、隣接する大月市の山林へと延焼が拡大しています。現場では自衛隊や消防による懸命な消火活動が続いていますが、乾燥と強風という最悪の条件が重なり、火勢を抑えきれない状況です。
■① 山林火災は「初期消火」が極端に難しい
今回の火元は登山道沿いの休憩スペースでした。山林火災の怖さは、気づいた時にはすでに手が付けられない状態になりやすい点にあります。
現場では、
・斜面
・可燃物の多さ
・水利の悪さ
が重なり、ジェットシューターや人力消火だけでは対応しきれません。被災地での山林火災対応経験から言えば、風が出た時点で主導権は火に移るのが現実です。
■② 飛び火が一気に被害を拡大させる
消防団員の証言にもある通り、燃えている木が落下し、そこからさらに飛び火することで火災は連鎖的に広がります。山林火災は「線」ではなく「面」で拡大します。
被災地では、
・風向きが変わる
・火の粉が住宅地側へ飛ぶ
・一気に避難判断が必要になる
という展開が頻発します。
今回も住宅まで30メートル、100メートルと迫る場面が何度も発生しました。
■③ 避難する側も「想像以上に消耗する」
避難所で過ごす住民の声からも分かる通り、避難は命が助かって終わりではありません。
・急な避難準備
・最低限の持ち出し
・慣れない環境
・睡眠不足
これは地震でも豪雨でも共通する「災害関連ストレス」です。被災地では「逃げたあと」の疲労が、心身にじわじわと影響します。
■④ 消防団員は“災害専業”ではない
今回、特に伝えるべきなのは消防団の現実です。
消防団員の多くは、
・平日は通常の仕事
・夜間や休日に出動
・長期化すれば体力の限界
という条件の中で活動しています。
被災地対応では、「団員が疲労で倒れる」「仕事と両立できず人が減る」という場面を何度も見てきました。今回もSNSで出動可能な団員を募らざるを得ない状況になっています。
■⑤ 乾燥と強風が続くと鎮火は長期化する
湿度20%以下が続く状況では、表面が消えても内部で燻り続け、再燃します。山林火災は「消えたように見える」状態が最も危険です。
被災地では、
・夜間の再燃
・風が出た瞬間の延焼
が繰り返され、住民も消防も休めません。
■⑥ 山林火災は「誰の身近にも起きる災害」
今回の火元は登山道沿いでした。つまり、
・たき火
・火の不始末
・乾燥した環境
があれば、どこでも起こり得ます。
山林火災は「山奥の話」ではありません。住宅地のすぐ裏山が燃えるケースは、被災地では珍しくありません。
■⑦ 私たちにできる現実的な防災
山林火災を防ぐために、特別なことは必要ありません。
・乾燥時期の火気使用を控える
・火を使ったら完全に消す
・強風時は火を扱わない
・異変を感じたら早く通報する
そして、避難指示が出たら迷わず動くことです。
■まとめ|結論:現場は限界まで戦っている
結論:
山林火災は「自然災害」でありながら、人の行動で被害を抑えられる災害でもある。
現場の消防団、自衛隊、消防職員は、限界まで踏ん張っています。その現実を知ることも、防災の一部です。
火を扱う私たち一人ひとりの判断が、誰かの家と命を守ります。今回の山林火災を「遠い出来事」にせず、日常の行動を見直すきっかけにしてほしいと、被災地を見てきた立場から強く伝えたいです。

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