遠い国の通貨危機は、
一見すると日本の生活とは無関係に見えます。
しかし通貨の崩壊は、
「お金が使えなくなる防災」
という現実的なリスクを突きつけます。
イラン通貨リアルの暴落事例から、
通貨が壊れると何が起きるのかを解説します。
■① 「通貨がゼロになる」とはどういう意味か
結論から言えば、
通貨が文字通りゼロになることはほぼありません。
しかし現実には、
次の状態が起きます。
・物価上昇が賃金を完全に上回る
・紙幣の桁が増え続け、価格感覚が崩壊
・単位変更で「ゼロ」を削除する
生活者にとっては、
「使えても意味をなさない通貨」
になることが最大の問題です。
■② イラン通貨は今どれほど崩れているか
2026年1月時点で、
イランの公開市場では
1ドル ≒ 約145万7000リアル
インフレ率は約42%。
2025年だけで通貨価値はほぼ半減しました。
数字が示すのは、
購買力の急激な蒸発です。
■③ 複数為替レートが危機を深める
イランでは、
複数の為替レートが並存しています。
・公式レート
・補助金向けレート
・ストリートレート
この差は約35倍。
結果として、
・裁定取引が横行
・外貨が市場に回らない
・通貨への信頼が失われる
通貨は「信用」で成り立つことが
よく分かる構造です。
■④ なぜ通貨は暴落し続けるのか
主な要因は次の5つです。
・制裁による外貨不足
・40%超の高インフレ
・経済成長の停滞
・政策変更によるドル需要急増
・政情不安によるリスク回避
どれか一つではなく、
複合的に重なって崩れています。
■⑤ 「ゼロを削る」通貨再デノミネーションの正体
イランでは、
通貨からゼロを4つ削除する計画が承認されています。
これは救済策ではありません。
・取引を分かりやすくするだけ
・インフレは止まらない
・購買力は変わらない
見た目を整える処置に過ぎず、
根本解決にはなりません。
■⑥ 通貨崩壊が生活にもたらす影響
通貨が壊れると、
次のことが起きます。
・現金を持つほど損をする
・食料や必需品が不足する
・人々はドル・金・不動産に逃げる
・社会不安が拡大する
これは災害時の
物資不足と非常に似た構造です。
■⑦ 防災として考える「お金の備え」
通貨危機は、
経済災害とも言えます。
備えとして重要なのは、
・現金一択にしない
・価値が分散された資産構成
・生活必需品の備蓄
・「価格が急変する」前提の判断
お金もまた、
ライフラインの一部です。
■⑧ まとめ
イラン通貨は、
文字通りゼロにはなりません。
しかし、
購買力は限りなくゼロに近づきます。
・ゼロの数が増える
・単位が変わる
・生活は楽にならない
防災の本質は、
「壊れる前提で備えること」。
通貨も例外ではありません。

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