ドローンは防災・災害対応の現場で
「使えて当たり前」の道具になりつつあります。
しかし2025年12月の
国土交通省による審査要領改正は、
これまでの“慣れた運用”を
根本から見直す内容となりました。
今回の改正は、
単なる手続変更ではありません。
防災分野のドローン運用にも
直接影響する重要な転換点です。
■① 「国交省HP掲載機だから省略できる」が終了
これまで一部で使われてきた
「国交省ホームページ掲載機だから
審査が省略できる」
という考え方は終了しました。
今後は、
・型式認証
・機体認証
など、制度上の正式な認証が
判断の軸になります。
「見慣れた機体だから大丈夫」
という感覚は通用しません。
■② 機体の“安全性説明”がより重要に
掲載機による省略が廃止されたことで、
問われるのは
「なぜこの機体は安全と言えるのか」
という説明力です。
防災現場では
迅速さが求められますが、
安全性の根拠が曖昧な機体は
許可の取得自体が難しくなります。
■③ 「民間資格があるから省略できる」が終了
民間資格が
無意味になったわけではありません。
しかし、
許可・承認申請における
「省略の根拠」としての位置づけは
大きく縮小しました。
今後の制度運用では、
国家資格(無人航空機操縦者技能証明)
の保有が中核になります。
■④ 国家資格が“運用の前提”になる
防災や自治体業務では、
「誰が操縦しているのか」
がこれまで以上に問われます。
・国家資格を持つ操縦者
・標準化された手順
・記録と訓練の裏付け
これらが揃って初めて
説明責任を果たせる時代です。
■⑤ 既存申請が使えなくなるケースが発生
今回の改正で特に注意すべき点が、
改正前に取得した
許可・承認の扱いです。
省略運用を含む申請については、
改正後に
・複製
・変更
・更新
ができず、
新規申請が必要になるケースが
示されています。
■⑥ 組織運用では「実務負担」に差が出る
防災対応は、
個人ではなく組織で行います。
・過去の申請が使えない
・急に新規申請が必要になる
・災害時に間に合わない
こうした事態を防ぐには、
早めの申請内容の棚卸しが不可欠です。
■⑦ 防災分野ほど影響を受けやすい理由
災害時は
「今すぐ飛ばしたい」
という状況が多発します。
しかし制度に合っていなければ、
その場で飛行できません。
平時のうちに
制度変更を前提とした
運用体制を整えているかどうかが、
対応力の差になります。
■⑧ まとめ|審査要領改正は“警告”である
今回の審査要領改正は、
単なる厳格化ではありません。
・省略に頼らない
・説明できる運用
・制度に耐える体制
これを求める
明確なメッセージです。
防災×ドローンの現場では、
「飛ばせるか」ではなく
「なぜ飛ばせるのか」を
説明できる準備が
今後の命運を分けます。

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