消防の世界でも「女性活躍推進」は避けて通れないテーマになっています。制度や方針は整いつつありますが、実際の現場では課題と前進が混在しているのが実情です。元消防職員として見てきた現場感覚を踏まえながら、消防における女性活躍推進の現状を整理します。
■① 消防における女性活躍推進の背景
少子化による人材確保の難しさ、住民ニーズの多様化を背景に、消防でも女性の活躍が求められるようになりました。政策上も、国・自治体ともに女性採用比率の向上を掲げています。
■② 国・自治体の政策的な動き
総務省消防庁は、女性消防吏員の採用促進や職域拡大を明確に打ち出しています。数値目標の設定、設備整備への支援など、制度面は着実に整えられてきました。
■③ 採用現場での変化
採用試験では、体力基準の合理化や試験内容の見直しが進んでいます。実際、採用説明会では「女性が働き続けられる職場か」という質問が増え、広報のあり方も変化しています。
■④ 現場配属で直面する現実
一方で、現場配属後は設備や勤務体制が追いついていないケースもあります。私が現場にいた頃も、女性職員用の更衣・仮眠環境が十分でない署は珍しくありませんでした。
■⑤ 女性ならではの強みが活きる場面
救急現場や相談対応、広報・防災教育の分野では、女性職員が住民との信頼関係を築きやすい場面を多く見てきました。これは現場経験上、明確な強みです。
■⑥ 組織側が抱えがちな誤解
「女性は現場に向かない」という固定観念が、無意識のうちに残っている組織もあります。しかし実際には、適切な配置と支援があれば十分に力を発揮できます。
■⑦ 働き続けるための環境整備
女性活躍推進の本質は採用数ではなく「定着」です。育児・体調配慮、キャリア形成の見通しを示せるかが、今後の消防組織の評価を左右します。
■⑧ 今後の消防に求められる視点
女性活躍推進は特別な施策ではなく、組織全体の働きやすさを高める取り組みです。結果的に、男性職員を含めた全体の持続可能性につながります。
■まとめ|女性活躍推進は消防組織の未来を左右する
消防における女性活躍推進は、政策だけで完結するものではありません。現場の理解と環境整備があって初めて意味を持ちます。
結論:
女性が活躍できる消防は、結果的に全員が働き続けられる消防になる。
元消防職員として、女性職員が自然に力を発揮できていた現場ほど、組織全体の雰囲気と安全性が高かったと感じています。

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