【防災士が解説】「歯みがき × 防災」── 水が少なくても“口の健康”を守る命のケア

災害時の避難生活では、
食事はレトルト・パン・菓子類が増え、
水不足・ストレス・環境悪化で 口の中が不潔になりやすい 状況になります。

そんな時こそ重要なのが 歯みがき(口腔ケア)

口の中の衛生は、
“誤嚥性肺炎・体力低下・虫歯悪化”など、
命に関わるリスクを左右する防災ケアのひとつです。


■ なぜ災害時は「歯みがき」が重要なのか?

  • 水不足で歯を磨かなくなる
  • 避難所は乾燥・ストレスで口の中が荒れやすい
  • 非常食(おにぎり、パン、甘味)は歯に詰まりやすい
  • 虫歯・歯周病が急激に悪化する
  • 高齢者は誤嚥性肺炎のリスクが急増
  • 歯みがきをサボると“全身の健康”に影響する

口の中が汚いと、風邪・感染症にもかかりやすくなります。


■ 歯みがき × 防災

家庭にあるものでできる“15の工夫”


① ペットボトルキャップ1杯の水で磨く

→ たった数十mlで歯みがき可能。断水時の裏ワザ。


② キシリトールガム × 歯みがき代用

→ 食後に噛むだけで唾液が出て口腔環境が整う。


③ ウェットティッシュ × 歯磨き前後の口元清拭

→ 水がなくても清潔にできる。


④ ティッシュ × 歯の汚れ取り

→ 歯の表面を軽く拭くだけで大幅に効果あり。


⑤ マウスウォッシュ × 水代わり

→ 断水時の“うがい代替”として最適。


⑥ ストロー × むし歯予防

→ ジュース・甘味飲料をストローで飲むと歯に残りにくい。


⑦ 小分け歯磨き粉 × 持ち運び

→ 避難所での衛生管理がしやすい。


⑧ コップ × 水管理

→ 少量の水で十分に磨けるようになる。


⑨ ペットボトル × 洗口用

→ 家族全員のうがい用に1本確保。


⑩ ラップ × 洗面台の汚染防止

→ 避難所の洗面スペースが汚れていても衛生的。


⑪ フロス × 歯ブラシ代替

→ 歯間の汚れが多い食事をする災害時に非常に有効。


⑫ 乾電池式ライト × 夜間の口腔ケア

→ 暗い避難所でも安全に歯磨きできる。


⑬ 歯ブラシの“本数多め”の備蓄

→ 使い捨て感覚で使える。避難所では共有NG。


⑭ 介護用スポンジブラシ × 高齢者

→ 入れ歯の人・体力が落ちた人のケアに便利。


⑮ 口臭ケアタブレット × 気持ちの安定

→ 避難生活のストレス軽減・衛生意識の維持に役立つ。


■ 災害時に起こりやすい“口腔トラブル”

● 歯周病・歯肉炎の悪化
● 口内炎
● 舌の乾燥
● 口臭増加
● 虫歯の急激な悪化
● 誤嚥性肺炎(特に高齢者)

避難生活では「飲水量低下」「糖質の多い食事」が重なり、
口腔内トラブルが普段の数倍発生します。


■ 断水中でもできる“省水量歯みがき”

  1. 歯ブラシを少し湿らせる(ほんの数滴)
  2. 歯磨き粉は米粒サイズ
  3. ブラッシングは1~2分
  4. 口をゆすぐ水は“キャップ1杯程度”

これだけで十分に清潔にできます。


■ まとめ

歯みがき × 防災 は、
避難生活の健康を守る“欠かせない口腔ケア”

  1. 災害時は虫歯・歯周病が悪化しやすい
  2. 誤嚥性肺炎の予防に口腔ケアが必須
  3. 水が少なくても“省水量歯磨き”で対応可能
  4. ガム・マウスウォッシュ・ティッシュで代用もできる
  5. 家族分の歯ブラシは“多めの備蓄”が安心

口の健康は“全身の健康”。
災害時ほど、日常の歯みがきが命を守る行動になります。

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