避難所に行けば水が十分に配られる。そう思っていると、現場では簡単に困ります。水の備蓄は「余裕を持つ」ことと「家族で共有する」ことが基本です。ここでは、実際の避難所で水が足りなかった経験を踏まえて、最低限の備蓄量と運用のコツを整理します。
■① 避難所の水は「いつでも自由に」ではない
避難所の水は、在庫・人手・配給ルールに左右されます。到着したタイミングで配給が終わっていれば、次まで待つことになります。特に発災直後は、配給体制が整っていないことも珍しくありません。
■② 平成29年九州北部豪雨で実際に困ったこと
平成29年九州北部豪雨の現場では、避難所に到着した時点で水の配給が「1日2回のみ」という状況がありました。配給の時間に間に合わなければ、その日は水が足りない前提で動く必要が出ます。水があるかどうかで、不安の大きさがまったく変わるのを強く感じました。
■③ 最低限の目安は「500ml×3本×人数分」
最低限の目安として、500mlペットボトル3本×人数分を先に確保しておくと安心です。これは「まず今日を乗り切る」ための量として考えると現実的です。ここが確保できるだけで、行動の迷いが減ります。
■④ 余裕を持つほど「判断が早くなる」
水に余裕があると、避難所の配給に振り回されにくくなります。列に並ぶか、家族の体調を優先するか、移動するか。こうした判断が、水がないと全部苦しくなります。水の余裕は、心の余裕に直結します。
■⑤ 家族単位で「水の管理場所」を決めておく
避難所では荷物が散りやすく、誰が何を持っているか分からなくなります。家族単位で「水はこのバッグ」「補充したらここに戻す」など管理場所を決めておくと、混乱を大きく減らせます。
■⑥ 子ども・高齢者がいる家庭ほど分散が効く
家族の中で動ける人が限られる場合、水を一か所に集中させると取り出せなくなることがあります。持ち出し袋、車内、自宅内など、複数の場所に分けておくと、使える確率が上がります。
■⑦ 「共有ルール」を決めるとトラブルが減る
避難所では、食料や水は早く消費されがちです。家族内で「今日は何本使う」「子ども優先」「予備は手をつけない」など簡単なルールを作るだけで、後半の不安が減ります。
■⑧ 水の備蓄は命と安心を同時に守る
水は最初に不足しやすく、代替がききません。避難所に行く前提でも、水だけは自分で確保しておく。これが現場で痛感した結論です。水の備蓄は「余裕を持つ」+「家族で共有」が基本です。

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