消防の現場では、厳しさや緊張感が求められる一方で、それが行き過ぎるとハラスメントと受け取られる行為につながることがあります。ハラスメント対策は職場の快適さだけでなく、現場の安全性そのものを守る取り組みです。ここでは、現場経験を踏まえて、本当に必要だと感じた対策を整理します。
■① ハラスメントは「個人問題」ではない
ハラスメントは、特定の個人の資質だけで起きるものではありません。組織の文化や慣習、指導方法が影響します。現場では、誰も悪意がないまま、古い価値観が続いていたケースも多く見てきました。
■② 現場で感じた空気の変化
ハラスメントが放置されている職場では、報告や相談が減り、小さな異変が共有されなくなります。実際に、声を上げにくい空気が事故やミスの見逃しにつながりかけた場面を経験しました。
■③ 指導とハラスメントの境界を明確にする
消防では厳しい指導が必要な場面もありますが、「安全確保のための指導」と「人格を否定する言動」は明確に違います。境界が共有されている職場ほど、トラブルは少ない印象でした。
■④ 相談窓口が「使える」かどうかが重要
相談窓口があっても、実際に使われなければ意味がありません。現場では、匿名性が確保され、報復を恐れずに相談できる仕組みがある職場ほど、問題が早期に是正されていました。
■⑤ 管理職の初動対応が分かれ目になる
ハラスメントの兆候が見えたとき、管理職がどう動くかで職場の空気は大きく変わります。事実確認と同時に、関係者を守る姿勢を示すことが、二次被害を防ぎます。
■⑥ 現場で有効だった研修の形
座学だけでなく、実際の指導場面を想定したロールプレイ研修は効果的でした。「この言い方はどう受け取られるか」を体感することで、行動が変わりやすくなります。
■⑦ ハラスメント対策は安全管理につながる
現場経験から言えるのは、ハラスメントが少ない職場ほど、報告・連携が活発で事故が少ないということです。心理的安全性が確保されることで、現場対応の質が向上します。
■⑧ ハラスメント対策は消防力を守る基盤
ハラスメント対策は、職員を甘やかすことではありません。安全に、長く、力を発揮できる環境を整えることです。現場で機能する対策こそが、防災力と消防力を支えます。

コメント