防災分野のテクノロジーは年々進化していますが、現場で本当に役立つかどうかは別問題です。災害対応の現場では、「使える技術」と「使われない技術」がはっきり分かれます。現場経験を通じて感じてきた、防災テクノロジーとの正しい向き合い方を整理します。
■① 防災テクノロジーの役割は判断材料を増やすこと
防災テクノロジーの最大の価値は、判断の根拠を増やすことです。気象情報、被害想定、位置情報などが可視化されることで、迷いが減り、行動が早くなります。
■② 現場で実感した「情報がある安心感」
過去の災害対応では、被害状況が分からないまま進入判断を迫られる場面を何度も経験しました。テクノロジーによって事前情報が得られた現場ほど、無理な行動を避けられていました。
■③ テクノロジーは万能ではない
通信断、電源喪失、センサー誤作動など、災害時にはテクノロジーが機能しない場面もあります。現場経験から、アナログ手段を併用している現場ほど対応が安定していました。
■④ 現場で使われる技術の共通点
操作が直感的、準備が早い、失敗しにくい。こうした特徴を持つ技術ほど、実災害で使われています。高機能でも複雑な技術は、現場では敬遠されがちです。
■⑤ 人の判断を中心に据えることが前提
防災テクノロジーは、判断を代行するものではありません。最終判断は必ず人が行います。現場では、この前提が共有されている組織ほど事故が少ない印象でした。
■⑥ 訓練で使わない技術は現場で使えない
災害時だけ使う技術は、必ず混乱を招きます。日常業務や訓練で使い慣れているテクノロジーほど、非常時に自然に活用できます。
■⑦ 現場経験がテクノロジー選定を左右する
現場を知る人が関わって選定された技術は、導入後の満足度が高く、定着しやすいと感じてきました。現場目線を欠いた導入は失敗しやすい傾向があります。
■⑧ 防災テクノロジーは「人を守るための道具」
防災テクノロジーは、現場で活動する人と、守られる住民の安全を支えるための道具です。過信せず、正しく使うことで、防災力は確実に向上します。

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