【元消防職員が解説】防災×山岳救助消防訓練|現場経験から見えた「体力より判断」が生死を分ける理由

山岳救助は、装備や体力が注目されがちですが、現場で最も重要なのは判断力です。天候、地形、時間帯のわずかな違いが結果を大きく左右します。現場経験を通じて、判断が早く正確な隊ほど事故を防げていると実感してきました。


■① 山岳救助の前提は「安全に戻ること」

救助活動の目的は、要救助者を助けることですが、同時に隊員全員が無事に戻ることが絶対条件です。山岳救助では、この前提を崩した瞬間に二次災害が起こります。


■② 現場で実感した天候変化の速さ

山岳では、晴天から一気に霧や雨に変わることがあります。実際の現場でも、視界悪化により進退判断を迫られた経験がありました。訓練では、天候急変を前提にした判断訓練が不可欠です。


■③ 地形把握が救助計画を左右する

地図だけでは分からない斜面の角度や足場の悪さは、現地で初めて実感します。現場経験から、事前に複数ルートを想定していた隊ほど、柔軟に対応できていました。


■④ 体力任せの行動が危険になる理由

山岳救助では、「行ける」「まだ動ける」という感覚が判断を鈍らせます。現場では、体力に余裕があっても撤退を選んだ判断が、結果的に安全につながったケースを見てきました。


■⑤ 夜間・単独行動を想定した訓練の重要性

山岳事故は夜間や単独行動中に発生することも多く、状況は想像以上に厳しくなります。訓練で夜間・視界不良を想定しているかどうかが、現場対応力に直結します。


■⑥ 現場で役立った装備の考え方

最新装備よりも、「確実に使える装備」「軽くて持続できる装備」が重要です。現場経験から、装備を厳選している隊ほど行動に余裕がありました。


■⑦ 連携と情報共有が判断を支える

山岳救助では、指揮所との情報共有が判断を支えます。位置情報、進捗、体調状況をこまめに共有できている現場ほど、無理のない活動ができていました。


■⑧ 山岳救助訓練は「撤退判断」を学ぶ場

山岳救助訓練の本質は、前進だけでなく撤退判断を学ぶことです。行かない、引く、待つ判断ができる隊こそが、真に強い消防力を持っていると言えます。

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