高速道路での災害対応は、一般道路とは危険の質がまったく異なります。最大のリスクは「流れ続ける車両」です。現場経験を通じて痛感してきたのは、救助や処置の前に“止める判断”ができるかどうかで、現場の安全性が決定的に変わるという事実です。
■① 高速道路災害の前提は「二次災害の遮断」
高速道路では、後続車両による追突・はねられ事故が最も多い危険です。対応の第一歩は、傷病者対応ではなく、交通の遮断・減速・注意喚起です。この順番を誤ると、被害が拡大します。
■② 現場で実感した車両速度の怖さ
実際の現場では、表示板やカラーコーンがあっても、減速しない車両が一定数存在します。隊員が路肩に立つだけで強い風圧を受け、わずかな判断遅れが致命的になる場面を何度も経験しました。
■③ 到着直後の配置が安全性を左右する
消防車両の停車位置は、防護壁の役割を果たします。現場経験から、車線を斜めに塞ぐ形での配置ができていた現場ほど、隊員の安全が確保されていました。停め方一つで現場の危険度は大きく変わります。
■④ 情報共有と関係機関との連携が鍵
高速道路では、警察・道路管理者との連携が不可欠です。現場では、無線や共有システムで状況が即時共有されていると、通行止め判断や規制拡大がスムーズに進みました。
■⑤ 現場で見た「焦り」が招く危険
要救助者が目の前にいると、どうしても対応を急ぎたくなります。しかし、過去の現場では、交通規制が不十分なまま活動を開始し、危険にさらされた事例もありました。一度立ち止まる判断が命を守ります。
■⑥ 夜間・悪天候時の危険性を過小評価しない
夜間や雨天時は、視認性が著しく低下します。現場経験から、発炎筒や照明を十分に使用していた現場ほど、後続車の挙動が安定していました。見せる対策は最重要です。
■⑦ 訓練で磨くべきは「役割分担」
高速道路災害対応では、全員が同じことをすると危険です。規制担当、救助担当、情報連絡担当など、役割が明確な現場ほど混乱が少なく、安全に活動できていました。
■⑧ 高速道路災害対応は判断力の総合戦
高速道路災害は、救助技術だけでなく、判断力と連携力が試されます。止める、待つ、広げるという判断を適切に行うことが、隊員と要救助者の命を守る最大の防災対策です。

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