山火事は件数自体は減少していますが、一度発生すると被害が急速に拡大する傾向にあります。2025年の岩手県大船渡市の山火事では、3370haの森林が焼失し、226棟が被災、鎮火までに40日を要しました。こうした事例から、山火事対策には個人の注意と地域の連携が不可欠です。
■①大規模火災の事例
岩手県大船渡市の火災では、乾燥と強風が重なり、まきストーブの火種が延焼。消防隊や自衛隊、航空隊を投入しても鎮火まで40日を要しました。延焼面積は3370ha、全壊住宅54棟を含む226棟が被災しました。
■②気候変動が火災リスクを拡大
気候変動により乾燥や強風が増加し、小さな火種でも急速に拡大するリスクがあります。枯れ草や落ち葉が燃料となり、炎は斜面を駆け上がり、火の粉は数百メートル先まで飛ぶこともあります。
■③人為的要因の影響
林野火災の約6割は人為的原因です。たばこの投げ捨てやたき火など、防げる火が多く、過去に軽視されていた行為も大規模火災の引き金となります。日常の小さな注意が社会全体を守る力になります。
■④森林整備の重要性
下草刈りや間伐により燃え広がりにくい状態を維持することが重要です。市民参加型の森林整備活動では、燃えにくい森をつくることで延焼リスクを減らすことが可能です。
■⑤地域の多様性が防災力に
広葉樹を含む多様な森づくりは、火災後の再生力を高め、延焼を抑える効果があります。単一樹種の人工林では立ち枯れや衰退が目立ち、防災効果が限定的です。
■⑥現場での課題と教訓
消防現場では、道が狭く資機材の搬送が困難、無線が途切れる、急傾斜でのホース延長が必要など、物理的・通信的制約が多くあります。消火活動は人員だけでなく、長距離中継体制や他県との連携も不可欠です。
■⑦テクノロジー活用の可能性
ドローンを活用した消火システムや監視体制の研究・実証が進んでいます。高リスク地域での情報収集や初動対応の迅速化に有効で、平時から自治体と連携した運用体制が推奨されます。
■⑧未来を守るための行動
件数減少に惑わされず、火の出さない、広げない、備えるという三つの心構えを持つことが重要です。個人の注意と地域・社会全体の取り組みが連動して、山火事のリスクを最小限に抑えることが可能です。
■まとめ|山火事への備えと地域防災
一度の小さな火が大規模火災に発展する現実があります。
火を出さず、広げず、備える。この三原則を日常から実践することが被害軽減につながる
防災士としての現場経験からも、初動対応と地域の連携が被害の大小を決定づけることが多く、森づくりやテクノロジー活用も重要な防災手段です。

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