家庭のガスコンロは、“最も身近な危険”の一つです。
地震・停電・ガス漏れ・調理中の不注意など、
災害でも日常でも事故が起きやすいポイント。
ここでは、防災士の視点から
「ガスコンロ × 防災」の安全対策をまとめます。
■① 地震が起きた瞬間は“火を消さなくてOK”
阪神淡路大震災・東日本大震災のデータでは、
揺れている最中に火を消そうとして火傷した例が多数。
揺れている間は：
● コンロに近づかない
● 調理器具を押さえない
● 揺れが止まってから火を消す
IHでも同様で、熱源の上に鍋が落ちると危険。
■② ガス漏れは“換気ではなく火気厳禁”
ガス臭いと感じたら、まずこれを守る。
● 火をつけない
● コンセント・スイッチを触らない（火花が危険）
● ドアや窓をそっと開ける
● 元栓を閉める
● ガス会社に連絡
※ 扇風機・換気扇は絶対NG。
ガスは電気火花で爆発することがある。
■③ 停電中のガスコンロは“明かりの位置”に注意
暗闇での調理は事故が多発します。
必要なのは：
● ランタン（上から照らす）
● 頭につけるヘッドライト
● テーブルランプ型のライト
スマホのライトだけでは 影ができて危険。
停電時こそ視界の確保が最重要。
■④ カセットコンロは“揺れに強いモデル”が最優先
災害用として最強の調理手段はカセットコンロ。
しかし注意点も多い：
● 30℃以上の車内放置NG
● ボンベは逆さにしない
● 古いボンベは使用しない
● テーブルクロスの上で使わない
● 防風＝室内酸欠注意
災害時は「安全に熱を作れる道具」が必須。
■⑤ 火災の初期消火は“天ぷら鍋だけ別ルール”
天ぷら油火災で最も危険なのは
水をかけてしまうこと。爆発的に燃え上がる。
正しい消火：
● 濡れタオルをかぶせる
● フライパンのフタを閉める
● 消火器を使う
● 無理ならすぐ避難
天ぷらを作っているときに揺れたら、
火を消さずにその場を離れるのが正解。
■⑥ 子どもの“手が届く位置”に注意
災害時より日常で事故が多いのがここ。
● 取っ手を手前に向けない
● 前の口ではなく奥の口を使う
● コンロ周辺におもちゃを置かない
「危ない場所の最優先」がキッチン。
■まとめ
ガスコンロは、家庭の中で最も火災が起きやすい場所。
その対策は、難しくありません。
- 揺れている間は火に近づかない
- ガス臭い時は換気扇NG
- 停電中の調理は照明の位置が重要
- カセットコンロは安全モデルを選ぶ
- 天ぷら鍋火災は水NG
- 子どもの手が届かないように配置
“日常の少しの工夫”が、
家族と家を守る最も簡単な防災です。
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