【防災士が解説】「防災 × カセットボンベ管理」── 災害時に“爆発・不足・凍結”を防ぐための正しい扱い方

カセットコンロは、停電・断水・ガス停止など
どんな災害時でも“確実に食を守る最強の調理器具”。

しかし忘れがちなのが カセットボンベの管理
実はボンベの扱いを間違えると、
火災・爆発・ガス漏れ・低温トラブルなど重大事故につながります。

ここでは、防災士の視点から
災害に強い家庭になるための「カセットボンベ管理術」を解説します。


■① ボンベは“最低6本”が家庭の標準備蓄

災害時の調理は「温めるだけ」が基本なので、
燃料の消費は意外と多い。

● 1本:30~60分
● 3食 × 3日=約6本
● 1週間なら10〜12本が安心ライン

冬は燃焼効率が落ちるため、夏の2倍を見ておく。


■② 保管場所は“高温・直射日光NG”

最も危険なのが「車内放置」。

● 夏の車内:60℃超で破裂リスク
● ストーブの近く:ガス膨張
● 屋外物置:冬は低温で点火しにくい

最適な場所:
● 室内の涼しい棚
● 床下収納
● キッチン下(熱源から離す)


■③ 使用期限は“7年目安”で入れ替える

ボンベ自体に期限が書かれていないことが多いが、
日本ガス機器工業会の目安は 製造から約7年

古いボンベは:
● パッキン劣化
● ガス漏れ
● 点火不良

災害時に“火がつかない”のは命取り。


■④ 冬は“ボンベが冷えて火力が落ちる”

気温が下がるとガスが気化しにくく、
火力が弱くなる。

対策:
● ボンベを手のひらで温める
● ぬるま湯でボンベを軽く温める(熱湯NG)
● カバー付きのコンロを使う

※ 炎が安定しないと調理効率が大幅に低下する。


■⑤ 使用NG行為は意外と多い

災害時は焦りから危険行為が増えやすい。

絶対にしてはいけない:
● 古いボンベに穴を開ける
● ボンベを逆さに使う
● ストーブの横で使用
● 2台のコンロを密接させる
● ボンベを火で炙る

すべて爆発につながる。


■⑥ 調理は“テーブルクロスの上では使わない”

火災現場で実際に起きる事故。

● ボンベが倒れる
● 布に火が移る
● 滑って鍋が落ちる

災害時は安定した床の上で使用する。


■⑦ ガスボンベは“家族の人数×避難日数”で計算する

1人暮らしと4人家族では消費量が全く違う。

例:4人 × 3日 → 最低12本
例:4人 × 1週間 → 20本前後

特に冬・停電・断水時は使用量が増える。


■まとめ

カセットボンベは
「災害時の命を守る燃料」であり、
管理の良し悪しが避難生活の質を決めます。

  1. 標準備蓄は6本、1週間なら10〜12本
  2. 車内・直射日光は絶対NG
  3. 7年を目安に入れ替え
  4. 冬は気化しにくく火力低下
  5. 危険行為は爆発に直結
  6. 安定した床で使う
  7. 家族人数×日数で備える

「ボンベは多め・正しく・安全に」。
これだけで家庭の防災力が大きく上がります。

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