【防災士が解説】防災×企業備蓄|社員を守る防災品リスト2026年版・実務マニュアル

企業防災で最も重要なのは「社員を守れるかどうか」です。被災地では、備蓄が整っていた企業ほど混乱が少なく、早期に業務再開できていました。一方で「名目上のBCP」はあっても、実際に使えない備蓄が原因で社員が不安を抱え続けた現場も見てきました。ここでは、現場経験を踏まえ、2026年時点で本当に必要な企業備蓄を整理します。


■① 企業備蓄は「帰宅困難」を前提に考える

都市部の被災地では、発災直後に一斉帰宅ができず、オフィスで数日過ごす状況が現実に起きました。企業備蓄は「自宅に帰れる前提」ではなく、「会社に留まる前提」で考える必要があります。


■② 最低限そろえるべき基本備蓄品

現場で確実に役立ったのは以下の基本セットです。
・飲料水(1人1日3L×3日分)
・非常食(加熱不要・アレルギー配慮型)
・簡易トイレ(1人1日5回×3日分)
・照明(LEDランタン・ヘッドライト)
・防寒用品(アルミブランケット・フリース)

被災地では、この基本がそろっているだけで社員の不安が大きく下がっていました。


■③ オフィス特有の「見落とされがち」な備え

企業現場で不足しがちなのが、次のような物です。
・床で休むためのマット・簡易寝具
・女性用生理用品、常備薬管理用品
・衛生対策用品(ウェットティッシュ・手袋)

実際の被災地では、これらが不足し「働く以前に生活が成り立たない」状況が発生していました。


■④ IT・通信停止を前提にした備蓄

停電や通信障害は必ず起きます。現場では、
・モバイルバッテリー
・手回し充電ラジオ
・紙の連絡先リスト
が最後の頼りになりました。デジタル依存だけでは不十分です。


■⑤ 2026年版として押さえたい新しい視点

最近の被災地対応で重要性が高まっているのが、
・テレワーク社員との連携を想定した備蓄
・多様な社員(高齢者・持病・外国人)への配慮
・長期化を前提にしたストレス軽減用品

「全員同じ備蓄」では守れない時代に入っています。


■⑥ 備蓄は「見せる化」で社員を守る

被災地で感じたのは、備蓄の存在を社員が知らない企業ほど不安が大きいということです。備蓄場所・内容を平時から共有している企業は、発災時も落ち着いて行動できていました。


■⑦ 企業備蓄はコストではなく投資

備蓄が整っている企業は、社員からの信頼が高く、離職や混乱を防げます。被災地で見たのは「備えていた企業ほど、社員が会社を支えようとしていた」という現実でした。


■⑧ 社員を守る備蓄が、企業を守る

企業防災の本質は事業継続以前に「人の継続」です。社員が安心できる環境があってこそ、BCPは機能します。現場経験から言えるのは、備蓄は企業文化そのものだということです。

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