冬キャンプの楽しみとして定番の焚き火ですが、2026年から火の扱いに関するルールが大きく変わりました。
背景には、2025年に発生した大規模な林野火災があります。
「知らなかった」では済まされない時代に入り、焚き火は“自己責任の趣味”ではなく、防災の一部として捉える必要があります。
■① なぜ焚き火の新ルールが始まったのか
きっかけとなったのは、2025年2月に岩手県大船渡市で発生した大規模林野火災です。
約3,300ヘクタールを焼失し、地域に甚大な被害をもたらしました。
この災害を教訓に、消防庁と林野庁は全国で「林野火災注意報・警報」の運用を開始しました。
焚き火は、防災上の重要管理対象になったのです。
■② 林野火災の原因で最も多いのは焚き火
林野火災の原因を見てみると、
・焚き火
・火入れ
・放火(疑い含む)
・たばこ
が上位を占めています。
落雷などの自然現象による火災はごく一部です。
つまり、林野火災の多くは人の行動次第で防げる災害です。
■③ 林野火災警報が出たときの考え方
新制度では「林野火災警報」が発令されると、消防法に基づき屋外での焚き火が制限・禁止されます。
警報下で焚き火を強行した場合、罰則の対象になる可能性があります。
キャンプ場が対象区域かどうかを、事前に自治体の情報で確認することが前提条件になります。
■④ 注意報でも焚き火を控える判断
注意報は、地面が極端に乾燥している状態で発令されます。
法的な強制力は弱くても、防災上は非常に危険な状況です。
風がある日は焚き火を控え、
・カセットコンロ
・ガスバーナー
など、火の粉が飛ばない熱源に切り替える判断が求められます。
■⑤ 地面から火を離すという基本原則
直火は、火の粉だけでなく「地中火」の原因にもなります。
腐葉土を伝って、見えない場所で火が広がることがあります。
脚付きの焚き火台と耐火シートを併用し、
乾燥した地面に熱や火種を伝えないことが鉄則です。
■⑥ 風対策は防災そのもの
冬の林野火災で最も危険なのが強風です。
突風が吹けば、火の粉は一瞬で数メートル先まで飛びます。
・金属製リフレクター
・火の粉が出にくいストーブ型焚き火
物理的に火を囲う対策は、防災として非常に有効です。
■⑦ 灰の処理は完全消火が原則
乾燥した環境では、消えたように見える灰の中にも熱が残ります。
灰捨て場からの再燃事故は、現場でも繰り返し発生しています。
火消し壺や火消し袋を使い、
密閉・窒息消火まで行うことが、安全な後始末です。
■⑧ 防災としての結論
林野火災注意報・警報は、キャンパーを縛るための制度ではありません。
自然を守り、キャンプ文化を続けるための防災ルールです。
気象条件を見て焚き火を控える判断は、
防災意識が高い証拠でもあります。
焚き火は楽しみであると同時に、防災行動でもある。
その意識を持つことが、これからの時代の基本です。

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