近年、キャンピングカーは「旅の道具」だけでなく、防災の視点からも注目される存在になっています。
特に2024年の能登半島地震では、多くのキャンピングカーが被災地に入り、実際の支援や生活の場として活用されました。
私自身も能登の被災地で活動しましたが、避難所や仮設拠点の不足、支援者の疲弊といった課題の中で、キャンピングカーが果たしていた役割は想像以上に大きいものでした。
■① 能登半島地震で実際に活躍したキャンピングカー
能登半島地震では、約150台ものキャンピングカーが被災地で活用されたとされています。
自治体、NPO、医療支援団体、復興関連事業者など、用途は多岐にわたりました。
宿泊施設が使えない状況下で、キャンピングカーは「すぐに使える生活空間」として現場を支えました。
■② 支援者の宿泊拠点としての役割
被災地では、支援に来た人が泊まる場所が確保できないという問題が必ず発生します。
能登でも、県外から派遣された職員やNPOスタッフが多数活動していました。
キャンピングカーであれば、
・避難所の近くに泊まれる
・長距離移動の負担を減らせる
・活動時間を確保できる
実際、宿泊拠点を現地近くに置けたことで、作業効率が大きく改善したケースもありました。
■③ 医療・専門支援チームを支える車両
医師や看護師による災害医療支援では、継続的な活動が不可欠です。
能登では、医療支援チームが大型テントでの生活からキャンピングカーに移行した事例もありました。
プライバシーが確保され、暖房やトイレ、休息環境が整うことで、支援の質を保ちやすくなります。
これは現場で活動する側の安全確保という、防災上とても重要な視点です。
■④ トイレ・電源・暖房がある意味
被災地では、トイレの衛生問題や電源不足が深刻化します。
キャンピングカーは、
・車内トイレ
・FFヒーター
・発電機や外部電源
を備えることで、生活を自己完結できます。
能登の現場でも、トイレ付き車両は特に評価が高く、女性スタッフや長期滞在者から重宝されていました。
■⑤ 移動できる生活空間という強み
キャンピングカー最大の特徴は、「生活しながら移動できる」ことです。
道路状況や活動場所の変化に合わせて拠点を動かせるため、災害対応との相性は非常に高いと言えます。
実際、電気が復旧していない地域では、発電機と組み合わせて事務所のように使われた例もありました。
■⑥ 避難する側にとっての可能性
支援者だけでなく、被災者にとってもキャンピングカーは選択肢になります。
避難所が合わない高齢者や乳幼児連れの家庭にとって、車内で生活できる環境は大きな安心材料です。
能登でも、避難所に入りづらい人が車中泊を選ばざるを得ない場面がありました。
キャンピングカーであれば、エコノミークラス症候群のリスクも下げやすくなります。
■⑦ 動く防災拠点という考え方
被災地では、「防災グッズを用意していても持ち出せなかった」という声を何度も聞きました。
家が被害を受けると、備えそのものに手が届かなくなります。
キャンピングカーは、
・寝る
・食べる
・情報を得る
・充電する
を一台で完結できます。
まさに「動く防災バッグ」「動く防災拠点」です。
■⑧ 防災としての結論
キャンピングカーは、贅沢な趣味ではありません。
条件が整えば、災害時に人の命と活動を支える重要な防災資源になります。
能登の被災地で見たのは、
「避難所だけに頼らない選択肢」が、現場の余裕と回復力を生むという現実でした。
防災とは、全員が同じ行動を取ることではなく、
それぞれが自分に合った安全な居場所を持つことです。
キャンピングカーは、その一つの有力な答えになり得ます。

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