【元消防職員が解説】日本は“災害の季節”に入ったのか|防災×巨大地震リスク

近年、日本各地で大規模地震が相次いでいます。
専門家の間では、「日本はすでに“災害の季節”に入った」という認識が共有されつつあります。

南海トラフ巨大地震、首都直下地震、千島海溝・日本海溝巨大地震。
これらは“いつか起きる”話ではなく、“同時多発的に警戒すべき現実”として捉える段階に入っています。


■① 直近の地震が示す警告

昨年12月に発生した青森県東方沖を震源とするM7.5の地震では、
地割れや道路陥没といった深刻な被害が確認されました。

過去の巨大地震を振り返ると、
千島海溝・日本海溝のM9級地震の前には、
周辺でM7級の地震が発生している事例が多く見られます。

このため、近年の中規模地震は、
「単発の災害」ではなく、
より大きな地震への前兆として捉える必要があります。


■② 千島海溝・日本海溝巨大地震の現実

千島海溝・日本海溝沿いでは、
歴史的にM9クラスの巨大地震と津波が繰り返し発生してきました。

想定では、
・岩手県宮古市で約30m
・北海道えりも町、青森県八戸市で26m超

の津波が到達するとされています。
これは、防潮堤や想定避難を超える規模です。


■③ 首都直下地震がもたらす被害規模

首都直下地震は、30年以内の発生確率が約70%とされています。
政府の想定では、

・死者 最大約1万8000人
・災害関連死 約4万人
・全壊・焼失 約40万棟
・経済被害 約83兆円

とされ、東京の都市機能は壊滅的な打撃を受けます。

首都圏では人口集中により、
発災から数日で物資が不足し、
数週間後には避難所環境の悪化による健康被害が顕在化します。


■④ 南海トラフ巨大地震は「時期」が見え始めている

最も深刻な被害が想定されているのが南海トラフ巨大地震です。
4領域が連動した場合、死者は最大29万人以上とされています。

地盤隆起量の長期観測からは、
次の発生時期が「2035年前後±5年」と推定される見方もあります。

また、南海トラフ巨大地震の数十年前から、
内陸型直下地震が頻発する傾向があり、
阪神・淡路、熊本、大阪北部地震もその流れの中にあります。


■⑤ 津波は太平洋沿岸全域を襲う

南海トラフ巨大地震では、
関東沿岸や伊豆諸島も10m超の津波に襲われると想定されています。

都内の地下街は、
発災から15分ほどで浸水する規模です。

これは、
「揺れが収まってから逃げる」
という判断が通用しないことを意味します。


■⑥ 被災地経験から見える“共通の弱点”

被災地で活動してきた立場から見ると、
どの大災害にも共通する弱点があります。

それは、
・物資不足は必ず起きる
・避難所生活は長期化する
・情報が届かず不安が拡大する

「想定外だった」という言葉は、
実際には“想定していなかっただけ”というケースがほとんどです。


■⑦ 今、個人が考えるべき防災の軸

これからの防災で重要なのは、
「どの地震が起きるか」を当てることではありません。

・起きたらどう行動するか
・助けが来るまでどう耐えるか
・避難所以外の選択肢を持てるか

災害が連続する時代では、
自分で判断し、自分で持ちこたえる力が求められます。


■⑧ 防災としての結論

日本は確かに“災害の季節”に入りつつあります。
しかし、それは恐怖を煽る言葉ではありません。

備える時間がまだある、という意味でもあります。

巨大地震は止められません。
ですが、
被害の大きさは「備えの差」で確実に変わります。

今この時期に防災を考えること自体が、
すでに最も重要な防災行動です。

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