令和7年12月2日、「救急業務のあり方に関する検討会(第2回)」が開催され、救急現場における医療情報活用の中核となる「マイナ救急」について、具体的な制度設計や運用の方向性が議論された。
マイナンバーカードを活用した救急医療の在り方は、今後の救急活動・防災行政に大きな転換点をもたらす取組である。
■① マイナ救急とは何か
マイナ救急とは、救急隊が現場で傷病者のマイナンバーカード(マイナ保険証)を活用し、必要な医療情報を迅速に取得・共有する仕組みである。
これにより、本人が話せない状況でも、既往歴や服薬情報などを把握したうえで、適切な救急対応や医療機関への引継ぎが可能となる。
■② マイナ救急で閲覧できる情報の整理
検討会では、救急隊が閲覧できる医療情報の範囲について整理が行われた。
救急現場で本当に必要とされる情報に絞り、過不足のない情報提供を行うことで、救急活動の迅速化と安全性の両立を図ることが重視されている。
■③ マイナ保険証の普及状況と現場への影響
マイナ救急の実効性は、マイナ保険証の普及状況と密接に関係している。
普及が進むほど、救急現場で情報取得が可能なケースは増え、救急隊員の判断負担軽減や医療機関への情報伝達の質向上につながる。
■④ 救急隊が医療情報を扱う法的根拠
救急隊員が傷病者の医療情報を取得・提供するにあたり、その法的根拠の整理も重要な論点とされた。
救命を目的とした正当な業務として位置付けることで、救急隊員が安心して制度を活用できる環境整備が進められている。
■⑤ 要配慮個人情報への配慮
医療情報は極めて慎重な取扱いが求められる要配慮個人情報である。
検討会では、情報提供を望まない傷病者への配慮や、本人意思の尊重を前提とした制度設計の必要性が確認された。
■⑥ 実証事業と広報の重要性
マイナ救急は、実証事業を通じて実際の救急現場での有効性や課題を検証している段階にある。
併せて、国民に対する分かりやすい広報を行い、「なぜマイナ救急が必要なのか」を理解してもらうことが不可欠とされている。
■⑦ 救急隊専用システムの機能拡充
今後は、救急隊専用システムの機能拡充も進められる予定である。
スマートフォンによるマイナ保険証利用への対応や、医療機関との情報連携機能の強化により、救急から医療への情報の断絶を防ぐ仕組みが構築されていく。
■⑧ 防災の視点から見たマイナ救急の意義
大規模災害時には、身元不明者や意思疎通困難者が多数発生する可能性がある。
マイナ救急は、平時だけでなく災害時においても「命をつなぐ情報基盤」となり得る仕組みであり、防災力・救急対応力の底上げに直結する取組である。
救急業務のあり方に関する検討会(公式)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-174.html

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