令和7年11月8日・9日、八戸消防本部は「119番の日」の行事の一環として、高機能消防指令センターの見学や新たな救急支援システムの体験を実施した。現場対応力だけでなく、「通報の質」を高める取り組みが、今の防災において極めて重要になっている。
■① 高機能消防指令センターの役割
消防指令センターは、119番通報を受けてから現場活動が始まるまでの“起点”となる場所である。
通報内容の正確性と指令の迅速さが、その後の消防・救急活動の成否を大きく左右する。今回の見学では、最新の指令システムを通じて、いかに多くの情報が瞬時に処理されているかが紹介された。
■② 映像119がもたらす変化
今年度から導入された「映像119」は、通報者のスマートフォン映像を指令センターで共有できる仕組みである。
言葉だけでは伝わりにくい火災状況や傷病者の様子を、映像で把握できることで、出動部隊はより的確な準備が可能となる。
体験を通じて、「見せる通報」の有効性が実感された。
■③ マイナ救急の紹介と意義
見学では「マイナ救急」についても紹介された。
マイナンバーカードを保険証として紐づけておくことで、救急現場で医療情報を迅速に確認できる仕組みは、処置の遅れを防ぎ、命を守る判断を支える重要な基盤となる。
体験者からは、「命を守る仕組みだと初めて知った」という声も聞かれた。
■④ 通報体験で見えた現実的な課題
通報体験では、「自宅の住所や電話番号がすぐに言えなかった」という声が挙がった。
これは特別な話ではなく、実際の災害・救急現場でも頻繁に起きている。
緊急時、人は想像以上に冷静さを失い、当たり前の情報すら口にできなくなる。
■⑤ 迅速・的確な119番通報のために
119番通報では、
・今いる場所
・何が起きているか
・誰がどんな状態か
この3点を伝えることが基本となる。
今回の体験は、日常から「通報する側の準備」が必要であることを多くの人に気づかせる機会となった。
■⑥ 防災は“かける前”から始まっている
119番は、かけた瞬間から準備すればよいものではない。
住所を言えるか、スマートフォンを操作できるか、マイナンバーカードの設定は済んでいるか。
これらはすべて、平時の備えで決まる。
今回の八戸消防本部の取り組みは、「通報も防災の一部である」ことを、分かりやすく伝える実践的な啓発活動であった。

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