避難所では、大人以上に子どもが眠れなくなるケースが多く見られます。被災地で家族連れの避難者と関わってきた中で、「子どもが全然眠らない」「夜になると泣き出してしまう」という声を何度も聞いてきました。そこには、子ども特有の理由があります。
■① 環境の変化に強い不安を感じる
子どもは環境の変化に敏感です。自宅と全く違う空間、人の多さ、知らない音や匂いに囲まれることで、強い不安を感じます。被災地でも、昼間は元気でも、夜になると急に不安定になる子どもが多くいました。
■② 音や光の刺激を受けやすい
避難所の物音や照明は、大人以上に子どもに強く影響します。いびき、足音、アナウンス音、常時点いている照明が刺激となり、眠りに入りにくくなります。被災地では、些細な音で目を覚ましてしまう子どもが多く見られました。
■③ 不安を言葉で整理できない
子どもは、不安や恐怖をうまく言葉にできません。そのため、眠れない、泣く、甘えるといった行動で表現します。被災地では、「理由は分からないけど怖い」と訴える子どもが少なくありませんでした。
■④ 周囲に気を使うことで緊張が続く
「騒いではいけない」「迷惑をかけてはいけない」と言われることで、子どもは無意識に緊張します。この緊張が、夜になっても抜けず、眠れなくなる原因になります。
■⑤ 生活リズムが一気に崩れる
食事や入浴、就寝時間が変わることで、体内リズムが乱れます。被災地では、昼夜の区別がつかなくなり、夜になっても眠気が来ない子どもが多くいました。
■⑥ 安心できる要素が不足しやすい
いつもの布団、暗さ、静けさ、ぬいぐるみなど、子どもにとっての「安心材料」が避難所では不足します。被災地では、安心できる物が一つあるだけで眠れるようになった子どももいました。
■⑦ 子どもの睡眠対策は防災そのもの
子どもが眠れない状態が続くと、情緒が不安定になり、家族全体の負担も増えます。被災地経験から言えるのは、子どもの睡眠を守ることは、家族の避難生活を守ることにつながるということです。耳栓やアイマスク、暗さを作る工夫など、小さな備えが子どもの安心と回復を支えます。

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