冬になると、全国で毎年必ず発生するのが
水道管の凍結・破裂による断水トラブル です。
特に
● 放射冷却で急に冷え込んだ朝
● 氷点下が数時間続く夜間
● 北側の外壁・ベランダ
● 空き家・不在住宅
で被害が多発します。
水道管が破裂すると、
修理まで数日〜1週間以上かかることもあり、
生活が完全に止まります。
防災士として、冬に必ず知っておくべき
“水道管破裂の予防と応急対策” をまとめます。
■① 冬に水道管が破裂しやすい理由
●① 水は凍ると体積が約9%膨張する
この膨張圧が金属管でも破裂させるパワーになる。
●② 氷点下が数時間続くと危険度MAX
特に
● 深夜〜朝方
● 北側の露出した配管
がもっとも危険。
●③ 家の中の“使っていない蛇口”が凍結しやすい
● 外の蛇口
● 2階ベランダ
● 給湯器の周囲
● 空き部屋
など水が動かない場所は凍りやすい。
■② よくある“凍結→破裂”のパターン
●ケース①:朝、蛇口をひねっても水が出ない
→ 凍結の初期症状。
●ケース②:日中に解けてから突然、水が噴き出す
破裂は“溶けたタイミング”に起こる。
●ケース③:給湯器から水が漏れる
給湯器内部の配管損傷がもっとも多い。
●ケース④:メーターボックス内が凍結して破裂
蓋が半開きのまま放置されていると危険。
■③ 冬に絶対やるべき「凍結予防」
●① 蛇口を“細くチョロチョロ”流す
水が動いていると凍りにくい。
●② 配管をタオル・布・断熱材で巻く
外の蛇口には“ニット帽をかぶせる感覚”で。
●③ 給湯器を「凍結予防モード」に
最近の給湯器は自動で内部の水を動かしてくれる。
●④ メーターボックスに新聞紙・発泡スチロール
上からバスタオルをかけると断熱効果UP。
●⑤ 不在時は“元栓を閉める”のも有効
旅行・帰省のときは特に大切。
■④ 凍結してしまった場合の正しい対処法
●① 熱湯は絶対にかけない
→ 配管が割れる原因。
冷たい → 熱い の急変はNG。
●② ぬるま湯(30〜40℃)をゆっくりかける
タオルに染み込ませて巻くのが安全。
●③ ドライヤーで温める
距離をとり、一定の温度でゆっくりと。
●④ 水が出た瞬間に“噴き出し音がないか確認”
破裂している場合は
● シューという音
● 地面が湿る
などのサインがある。
■⑤ 配管が破裂した場合の応急処置
●① すぐに“元栓を閉める”
漏水を止める最優先行動。
●② 漏れている場所をタオルで巻いて保護
応急処置でも効果あり。
●③ 給湯器からの漏れは絶対に電源を入れない
故障が悪化する。
●④ 修理は水道業者へ
冬は依頼が殺到するため、早めに連絡を。
■⑥ 災害時(大雪・寒波)に備える“水の確保”
- 飲料水:1人1日3L × 3日分
- 生活用水:風呂に張り置き
- ポリタンクでバケツリレー対応
- 簡易トイレを備蓄
水道が止まると、
トイレ・料理・洗濯・お風呂のすべてが使えなくなるため
“水の備蓄は命に関わる”。
■⑦ 冬の水道管凍結チェックリスト(保存版)
- □ 外の蛇口にタオル巻き
- □ 給湯器の凍結予防モードON
- □ メーターボックスを断熱
- □ 氷点下予報の日はチョロ出し
- □ 熱湯をかけない
- □ 凍結時はゆっくり湯で解凍
- □ 破裂時は元栓を閉める
■まとめ
冬の水道管破裂は
“ちょっとした対策だけで防げる災害” の代表例。
● 氷点下で水は膨張 → 破裂
● 朝に破裂が起きるのが典型
● 熱湯は絶対ダメ
● タオル巻き+チョロ出しが最強の予防策
日ごろから“家の外の蛇口1つ”を見るだけで、
冬の断水トラブルを確実に減らすことができます。
冬の防災は、
小さな習慣が家全体と生活を守ります。

コメント