冬になると屋外だけでなく、
室内でも起こることがあるのが 低体温症 です。
● 外仕事・通勤
● 登山・ハイキング
● ランニング
● 受験勉強での暖房不足
● 高齢者の暖房節約
● 停電時の寒さ
など、誰にでも起こる“命に関わる寒冷障害”。
ここでは、防災士として
冬に最も危険が高まる低体温症の特徴と、確実に防ぐ方法を解説します。
■① 低体温症とは？
体温が35℃以下に下がると、
体の機能が正常に働かなくなる状態。
■② 冬に低体温症が起こりやすい理由
●① 体の熱が“奪われるスピード”が速い
風・雨・雪・汗で濡れると
体熱の喪失が一気に加速。
●② 高齢者は体温調整が苦手
暖房を節約している家庭で発生しやすい。
●③ 運動中・作業中に汗をかいて冷える
汗→蒸発→急激な冷え という最悪のパターン。
●④ 停電で暖房が止まる
地震・豪雪での停電時は、
1〜2時間で体温が急低下することも。
■③ 低体温症の初期症状（早期発見が命を救う）
- 強い震え
- 指先のかじかみ
- 集中力低下
- 歩行がふらつく
- 顔色・唇の紫色化
- 意識がぼんやりする
これらが出たら 危険の初期サイン。
■④ 重症化のサイン（すぐに救急要請レベル）
- 震えが止まる
- 意識混濁
- ろれつが回らない
- 行動が鈍くなる
- 呼吸が浅く速い
震えが止まったら“逆に危険”です。
■⑤ 冬の低体温症を防ぐ服装（最強の3層構造）
●① ベースレイヤー（肌着）
汗を吸って乾きやすい化繊が最強。
※ ヒートテックは「汗をかかない日」に最適。
●② ミドルレイヤー（保温）
フリース・ダウン・ウールなど。
●③ アウター（風・雨を防ぐ）
ゴアテックスなど防風・防水素材。
この3層構造が冬の災害時に最も強い。
■⑥ 低体温症になりかけたときの応急処置
●① 風・雨・雪から避難させる
まず“冷える原因”を止める。
●② 服を乾いたものに着替える
濡れた衣類は体温を一瞬で奪う。
●③ 温かい飲み物をゆっくり飲ませる
ただし アルコールは絶対ダメ。
血管が拡張して体温が余計に奪われる。
●④ 毛布・ブランケットで体を包む
特に首・脇・鼠径部（太い血管）を温める。
●⑤ 意識がない場合は救急要請
低体温症は進行が早い。
■⑦ 停電時の“低体温症対策”（災害時に重要）
- カイロ（身体の芯に貼る）
- 毛布・寝袋（冬用が最強）
- テントで室内を区切り“暖房効率UP”
- 断熱マットで床冷えを防ぐ
- ガスボンベとカセットコンロを備蓄
- 湯たんぽ（お湯が使えるなら最強）
冬の停電ほど危険な災害はない。
■⑧ 高齢者に特に必要な注意点
- 「もったいない」で暖房を切らない
- 室温18〜20℃を保つ
- 厚着より“重ね着”を
- トイレ・脱衣所にも暖房器具を
成人よりも体温が下がりやすい。
■⑨ 低体温症チェックリスト（保存版）
- □ 震え・ぼんやり感は危険
- □ 濡れた衣類はすぐに着替える
- □ 風・雨を避ける
- □ 温かい飲み物
- □ カイロや寝袋で保温
- □ 停電時は室内断熱
- □ 高齢者の室温チェック
■まとめ
低体温症は冬ならどこでも起きうる“命に関わる危険”。
特に
● 屋外作業
● 高齢者
● 停電
● 冬キャンプ
でリスクが高い。
しかし、
正しい服装（3層構造）＋濡れ対策＋早期発見
この3つを徹底するだけで、重症化はほぼ防げます。
冬こそ、体を守る知識が“最大の防災”です。
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