避難生活は、時間とともに「慣れる」のではなく、「削られていく」側面があります。被災地で実感したのは、生活が長引くほど心の限界は静かに近づき、本人も周囲も気づきにくいという現実でした。
■① 心は「緊張の糸」を張り続けられない
避難直後は強い緊張が心を支えます。しかし被災地では、この緊張が長く続くことで、ある日突然ガクッと崩れる人が少なくありませんでした。
■② 被災地で見た“突然の無力感”
「もう何もしたくない」「考えられない」。被災地では、ある日を境に無力感に包まれる人を何度も見てきました。これは弱さではなく、自然な反応です。
■③ 先が見えないことが心を壊す
復旧の見通し、帰れる時期、生活再建。被災地では、先が見えない状態が続くほど、心の消耗が加速していました。
■④ 小さなストレスが積み重なる構造
音、光、匂い、人間関係。被災地では、一つ一つは小さくても、積み重なることで心を追い詰めていました。
■⑤ 感情を出せない人ほど危ない
周囲に気を使い、感情を抑え続ける人ほど、限界が見えにくくなります。被災地では、静かな人ほど注意が必要でした。
■⑥ 娯楽や余白が「緩衝材」になる
心が壊れるのを防ぐのは、強さではありません。被災地では、娯楽や気晴らしが、心の衝撃を和らげる緩衝材になっていました。
■⑦ 心が壊れる前提で備える防災
誰でも心は壊れます。被災地経験から言えるのは、「心は壊れやすいもの」と認めたうえで備えることが、最も現実的で人に優しい防災だということです。

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