【防災士が解説】冬のテーマ×防災&消防── 火災・寒さ・停電…“冬に特有の危険”から命を守るための実践ガイド

冬は、1年の中で最も災害リスクが高い季節です。
火災、暖房器具、乾燥、積雪、インフルエンザ、停電…。
消防の出動件数も年間で最も多くなるのが冬。

ここでは、「冬×防災×消防」の重要テーマをまとめ、
ご家庭で今日からできる実践対策を紹介します。


■① 冬は火災が最も多い季節

消防庁の統計でも、毎年冬は火災が急増しています。

冬の火災原因は…

● ストーブ
● こたつ
● コンセントのトラッキング
● 換気不足による一酸化炭素中毒
● 乾燥で火が広がりやすい

特に「暖房器具+乾燥」は冬の最悪の組み合わせ。


■② 暖房器具×防災

冬の家の暖房にはメリットもありますが、
使い方を誤ると重大事故に直結します。


●① 石油ストーブ

最大の注意点は 可燃物の近さ
洗濯物を乾かす位置が危険ポイント。

✔ 上に物を置かない
✔ 灯油は携行缶で安全に保管
✔ 換気をこまめに行う


●② 電気ストーブ

前面が高温になるため
● カーテン
● 衣類
● 毛布
が燃える事故が多い。

“30cm以上離す”が絶対ルール。


●③ こたつ

冬の定番ですが、火災原因にもなります。

・コードが古い
・ホコリが溜まる
・ペットが噛む
・上に物が多い

コードの劣化は発火のサイン


■③ 乾燥対策=火災対策

冬は湿度が20%台になる日も多い。
乾燥は火災の“加速装置”。

● 加湿器
● 洗濯物の室内干し
● 霧吹きで対策

湿度が40%以上あれば
火災の拡大スピードは大幅に下がる。


■④ 停電×寒さの複合リスク

冬の停電は夏より危険。
暖房が止まると低体温症のリスクが跳ね上がる。

備えておくべきは…

● カイロ
● 毛布・寝袋
● ホッカイロ
● モバイルバッテリー
● カセットガスストーブ(※換気必須)

冬の停電は“命の問題”になるため、
暖を確保する備蓄は優先度が高い。


■⑤ 降雪・積雪の防災

雪国でなくても、近年は全国どこでも大雪の可能性あり。

● 車内で閉じ込め
● 立ち往生
● 屋根雪の落下
● 凍結で転倒

冬の通勤・通学で最も多い救急出動は“転倒事故”。


■⑥ 一酸化炭素中毒(冬の最大の隠れた危険)

冬の事故で最も怖いのが
一酸化炭素(CO)中毒

● ストーブの不完全燃焼
● 締め切った部屋の燃焼器具
● 車の暖房(雪でマフラーが塞がる)

症状は…
・頭痛
・めまい
・吐き気
・意識障害

“気付いた時には遅い”のがCO中毒の特徴。

換気が命を守る。


■⑦ 冬×消防の出動で多いもの

冬の消防出動は次の3つが突出して増えます。


●① 建物火災

乾燥・暖房・電気火災が重なる季節。


●② 雪・凍結によるケガ

転倒 → 救急搬送が非常に多い。
特に高齢者は大腿骨骨折につながる。


●③ 交通事故(凍結・スリップ)

“ブラックアイスバーン”は見た目で分からず危険度最大。


■⑧ 今日からできる冬の防災チェック

冬の危険は、少しの工夫で大きく減らせます。


✔ 暖房器具の周囲30cmは“空間”を作る

✔ こたつコードを確認

✔ 加湿で湿度40%以上

✔ 停電に備えて毛布・カイロ

✔ 雪の日は車のマフラーを埋めない

✔ 換気は必ずする

✔ 夜中の暖房は安全装置付きにする


■まとめ

冬は、火災・乾燥・停電・積雪・一酸化炭素中毒など
複数の災害リスクが重なる“危険季節”。

  1. 火災が一年で最も多い
  2. 暖房器具の使い方を誤ると死亡事故に直結
  3. 乾燥は火災の加速装置
  4. 停電×寒さは生命に関わる
  5. 雪・凍結は転倒や事故につながる
  6. 一酸化炭素中毒が冬最大の隠れた危険

冬は“防災と消防が最も重要になる季節”。
この知識を生活に取り入れるだけで、
ご家庭の安全レベルは大きく向上します。

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