火災が発生したとき、消防隊が最初に確保しなければならないもの。
それは「水」です。
その水を供給する重要な施設が、「消火栓」や「防火水そう」です。
これらは一刻を争う消火活動に欠かすことのできない、地域の命綱とも言える存在です。
■① 消火栓・防火水そうとは何か
消火栓や防火水そうは、火災時に消防隊へ消火用水を供給するための施設です。
・道路脇や歩道上に設置されている消火栓
・地下に水を貯めた防火水そう
・標識や路面表示、フタのマーキングで位置が示されているもの
また、以下のようなものも「消防水利」として指定され、消火活動に使用されます。
・プール
・池
・井戸
・河川
消防隊は、これらを使うことを前提に、現場活動を組み立てています。
■② 消防水利の周辺は法律で「駐車禁止」
消火栓や防火水そうの周辺は、道路交通法により駐車が禁止されています。
理由は単純で、消防活動の妨げになるからです。
消防隊は日常的に点検・整備を行い、
「いつ・どこで火災が起きても使える状態」を維持しています。
しかし、火災現場で——
・消火栓の真横に車が止まっている
・吸水口に近づけない
・ホースを延ばせない
この状態になると、初期消火が遅れ、被害が拡大します。
■③ 駐車が禁止されている具体的な範囲
消防水利の周辺
・消火栓から 5メートル以内
・防火水そうの吸水口・吸管投入孔から 5メートル以内
・防火水そうの側端や出入口から 5メートル以内
・指定消防水利(プール・池・井戸・河川など)の標識から 5メートル以内
その他の駐車禁止場所
・消防自動車の車庫やホース格納箱の出入口から 5メートル以内
・火災報知機から 1メートル以内
・駐車車両の右側に 3.5メートル以上の通行余地が確保できない場合
■④ 現場で実際に起きていること
消防の現場では、
「たった1台の違法駐車」が消火活動全体を止める場面を何度も見てきました。
・ホースをつなげない
・消防車を寄せられない
・消火開始が数分遅れる
この数分の遅れが、
家1軒を失うか、隣家まで燃え広がるかを分けます。
■⑤ 違法駐車は「命に直結する行為」
違法駐車は、単なる交通違反ではありません。
見えないところで、誰かの命を危険にさらす行為です。
火災は、自分の家で起きるとは限りません。
隣家、近所、通学路、通勤路で起きる可能性があります。
そのとき、
「自分の車が原因で消火が遅れた」
そんな事態は、絶対に起きてほしくありません。
■⑥ 今日からできる防災行動
・消火栓の標識を意識する
・フタや路面表示の近くに駐車しない
・「少しだけだから」と思わない
この意識ひとつで、地域の防災力は確実に上がります。
消防水利は、
地域全体の命を守るインフラです。
皆さんの理解と協力が、
火災から大切な命と財産を守ります。

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