【防災士が解説】救急車を呼ぶ前に相談できる仕組み|防災×♯7119

急な病気やケガをしたとき、
「今すぐ救急車を呼ぶべきか」
「様子を見て病院に行くべきか」
迷った経験はありませんか。

その判断を専門家が電話で支援する仕組みが、
救急安心センター事業(♯7119)です。


■① ♯7119とは何か

♯7119は、住民が急病やケガの際に電話をかけることで、
看護師等の専門家から助言を受けられる相談窓口です。

・救急車を呼ぶ必要があるか
・今すぐ医療機関を受診すべきか
・翌日まで様子を見てよいか

といった判断を、客観的に支援します。

令和7年10月時点で、36都府県において実施されており、
消防庁は救急需要対策と住民の安心確保の観点から、
全国的な展開拡大を推進しています。


■② 兵庫県における全県展開の背景

兵庫県では、令和7年7月に
県内全域を対象とした「救急安心センターひょうご」を開設しました。

その起点は、平成29年に神戸市単独で開始された
「救急安心センターこうべ」です。

都市部を中心に増え続ける救急要請に対し、
不要不急の救急出動を減らす新たな手段として、
♯7119の導入が進められました。


■③ コロナ禍が浮き彫りにした役割

新型コロナウイルス流行期、
特に令和4年夏の第7波では、
♯7119への入電件数が過去最多を記録しました。

この時期、
・救急資源の逼迫
・消防指令センターとの連携強化

が大きな課題となり、
♯7119が果たす役割の重要性が改めて認識されました。

この経験を契機に、
県内消防本部から全県展開を求める声が強まりました。


■④ 運用見直しによる効果

神戸市では、県域化を見据え、
緊急度判定プロトコルの運用見直しを実施しました。

・赤判定=全件119転送の見直し
・相談員による条件付き判定ランクダウン
・受診推奨時間案内の改善

その結果、
・119転送による救急出動件数の減少
・軽症割合の低下
・夜間の不急受診の抑制

といった効果が確認されました。


■⑤ 全県展開に向けた合意形成

令和5~6年度にかけて、
兵庫県・神戸市・県内消防本部による研究会が設置され、
運営方式や費用負担、導入効果の検討が行われました。

最終的には、
・県と市町による合議体方式
・全自治体参画による運営委員会設置

という形で合意が形成され、
県内全自治体が参画する体制が整いました。


■⑥ ♯7119がもたらす防災上の価値

♯7119は単なる医療相談ではありません。

・救急車の適正利用
・医療機関の負担軽減
・本当に必要な人への救急対応確保

という点で、
地域全体の災害対応力を支えるインフラです。

災害時や感染症流行時においても、
救急体制を守る重要な役割を果たします。


■⑦ 住民に求められる正しい活用意識

♯7119は、
「救急車を呼ばなくていいようにする仕組み」ではなく、
「正しい判断を支える仕組み」です。

迷ったら、
・119か♯7119かを冷静に選ぶ
・相談結果を尊重して行動する

この積み重ねが、
救える命を守ることにつながります。


■⑧ 今後に向けて

兵庫県の事例は、
♯7119の全県展開が現実的に可能であることを示しました。

今後、
・未導入地域での展開
・運用の質の向上
・住民への周知強化

が進むことで、
救急医療と防災の両面で、
より強い地域づくりが期待されます。

いざというときの判断を支える仕組みとして、
♯7119を「知っている」「使える」状態にしておくことが、
これからの防災において重要です。

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