総務省消防庁は、2024年における救急車の現場到着時間が全国平均で約9.8分だったと発表しました。
到着時間は前年より0.2分短縮されたものの、救急出動件数は771万件を超え、過去最多を更新しています。
■① 全国平均9.8分が示す「救急の現実」
119番通報から救急車が現場に到着するまでの平均時間は約9.8分です。
数字だけを見ると大きな問題がないように感じるかもしれませんが、これはあくまで平均値です。
実際には、
・都市部
・地方
・時間帯
・出動の重なり
によって大きな差があります。
■② 出動件数が過去最多を更新した背景
2024年の救急出動件数は前年比1.0%増の771万8,380件となりました。
消防庁は、その背景として高齢化の進行を挙げています。
高齢者の増加により、
・転倒
・急病
・持病の悪化
など、救急要請が日常的に発生しやすい社会構造になっています。
■③ 「近くの救急隊が出動中」という問題
出動件数が増えることで、最寄りの救急隊がすでに出動しており、
・遠方の救急隊が対応
・到着までに時間がかかる
といったケースが増えています。
これは、現場経験上も年々顕著になっている変化です。
■④ 到着時間の内訳から見える傾向
消防庁の発表によると、到着時間の内訳は次のとおりです。
・5分以上10分未満:53.8%
・10分以上20分未満:38.8%
・20分以上:3.5%
半数以上は10分以内ですが、4割近くが10分を超えているのが現実です。
■⑤ 救急車を呼ぶ前にできる判断
消防庁は、救急車を呼ぶか迷った際の相談先として、
電話相談窓口「#7119」の活用を呼びかけています。
これは、
・緊急性の判断
・受診の目安
・救急要請の必要性
を専門家が助言する仕組みです。
■⑥ 救急車は「無限の資源」ではない
救急車や救急隊員は限られた資源です。
軽症や緊急性の低い通報が増えるほど、
本当に命の危険がある現場への到着が遅れる可能性があります。
これは、社会全体で共有すべき現実です。
■⑦ 命を守るために私たちができること
・#7119を活用する
・日頃から持病管理を行う
・異変に早く気づく
・救急要請の判断基準を知る
これら一つ一つが、救急体制を守り、
結果として自分や家族の命を守る行動につながります。
■⑧ まとめ:9.8分の意味を正しく知る
救急車の平均到着時間9.8分は、
決して「すぐ来る」と言い切れる数字ではありません。
だからこそ、
・早めの相談
・適切な判断
・社会全体での協力
が、これからの救急医療と防災に欠かせない要素となっています。
救急は、呼ぶ側の判断も含めて成り立つ命のインフラです。

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