災害は命や生活だけでなく、家計や資産にも大きな影響を与えます。
近年、防災の世界では「備蓄」や「避難」だけでなく、災害後も生活を立て直せる経済的な耐災害力が重要視されるようになってきました。
そんな中、注目されているのがJ-REIT(不動産投資信託)です。
■① J-REITとは何か
J-REITとは、日本の不動産に投資する上場投資信託です。
オフィスビル、マンション、商業施設、ホテルなどから得られる賃料収入を原資に、投資家へ分配金が支払われます。
特徴は、
・比較的安定した分配金
・株より値動きが緩やかになりやすい
・インカム(現金収入)を重視できる
という点です。
■② 2025年、J-REITが再び評価され始めた
日本経済新聞によると、
2024年末を起点にJ-REITは約24%上昇し、
アメリカ・オーストラリア・シンガポールを上回る成績を記録しました。
実はこの上昇、約4年ぶりです。
それまでの数年間は、右肩下がりが続いていました。
■③ なぜJ-REITは長く低迷していたのか
主な理由は3つです。
・金利上昇による収益圧迫への懸念
・コロナ後のオフィス空室不安
・株式市場の好調による資金流出
不動産は借入依存が高いため、金利上昇は大きな逆風と見られていました。
■④ 最近、再び上昇している理由
市場が懸念していたリスクが、
「思ったほど深刻ではなかった」ことが分かってきたためです。
・金利上昇 → 賃料も上昇し吸収
・オフィス空室 → 想定より改善
・分配金利回り → 割安水準に
結果として、
「安定収入を求める投資マネー」がJ-REITに戻ってきました。
■⑤ 防災の視点で見るJ-REITの価値
防災において重要なのは、
災害後も継続して生活費を確保できる仕組みです。
J-REITは、
・景気変動があっても賃料は急変しにくい
・分配金が定期的に入る
という特性があり、生活防衛型の資産として位置づけられます。
これは「お金の備蓄」とも言える考え方です。
■⑥ J-REITの弱点も知っておく
一方で、J-REITには明確な弱点もあります。
・金融危機時には株以上に下落することがある
・価格変動は決して小さくない
分配金が安定していても、
評価額は大きく下がる局面があることを理解しておく必要があります。
■⑦ J-REITと上手に付き合う考え方
防災的な観点では、
・一気に買わない
・価格より分配金を見る
・市場全体に分散投資する
といった姿勢が重要です。
個別REITではなく、
東証REIT指数連動型ETFなどを使うことで、
リスクを分散しやすくなります。
■⑧ まとめ|防災は「生活が続く仕組み」を持つこと
防災とは、
災害が起きた瞬間を生き延びることだけではありません。
その後の生活を、どう続けるかが本質です。
J-REITのようなインカム資産は、
・非常時の心理的安定
・生活再建の土台
として機能します。
永遠に上がり続ける資産も、
永遠に下がり続ける資産もありません。
周囲が悲観的なときにこそ、
「耐災害力」を高める選択肢を静かに考える。
それも、立派な防災行動の一つです。

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