キックボード(電動・非電動)は、
普段の移動手段として人気が高まっています。
では、災害時に キックボードは役立つのか?
それとも危険なのか?
ここでは、防災士としての経験から
「キックボード×防災」の可能性と注意点をまとめます。
■① 結論:キックボードは“サブ移動手段としてはアリ”:ただし条件付き
災害時の移動は「徒歩」が基本ですが、
キックボードは条件がそろえば スピードと利便性が大きな武器 になります。
✔ 車が渋滞
✔ バイク・自転車が倒壊して使えない
✔ 避難先が少し遠い
✔ 荷物が軽い
✔ 道路が比較的安全
このような場面では「素早く距離を稼げる」メリットがあります。
■② キックボードが防災で使えるシーン
● 1. 災害発生直後の“状況確認”
家族・地域の状況確認のために、
キックボードで短距離を素早く移動できる。
自転車よりも
● 整備が簡単
● 持ち上げやすい
● 小回りが効く
点がメリット。
● 2. バス・車が使えないときの移動
地震・豪雨後は主要道路が大渋滞。
キックボードなら歩道・側道を安全に移動できる。
※ 歩行者・車両の邪魔にならないルートに限定。
● 3. 避難所が2〜3km先のとき
徒歩で40分 → キックボードなら10〜15分。
体力消耗を抑えられるのは大きな利点。
● 4. 電動キックボードは“車中泊回避”に役立つことも
駐車場〜避難所が離れているケースでは
電動キックボードはかなり便利。
車から降りて移動する労力が減る。
■③ 逆に「危険で使えない」場面もある
❌ 1. 地震直後で道路が隆起・陥没している
タイヤが小さいため、段差に非常に弱い。
❌ 2. 豪雨後で路面が冠水
電動タイプは故障・感電の危険。
❌ 3. 風が強い時(暴風・台風)
横転しやすい。
❌ 4. 大荷物のとき
荷物を持ちながらの乗車は危険。
❌ 5. 充電切れのリスク(電動)
避難時は充電できない可能性が高い。
■④ 防災目線での“キックボードの準備チェック”
✔ ① ヘルメットは必須
災害時は道路状況が悪くなるため
普段以上に危険。
✔ ② 反射材・ライトを必ず装備
停電時や早朝・夜の移動では必須。
✔ ③ モバイルバッテリー(電動の場合)
最低でも10,000mAh以上を1つ。
✔ ④ 折りたたみ式なら避難所で邪魔にならない
自転車よりも省スペースで保管しやすい。
✔ ⑤ タイヤの空気圧チェック
災害時は転倒したら大怪我につながる。
■⑤ 子ども用キックボードは“避難用”には不向き
子ども用は以下の理由で避難利用には向きません。
● 転倒しやすい
● タイヤが極端に小さい
● 道路段差で事故の可能性が高い
避難は基本、徒歩で。
■⑥ キックボードを“防災用品”として考えるなら…
◎ メリット
・移動スピードが速い
・軽い
・車・電車が止まっても機動力がある
・折りたたんで持ち運べる
△ デメリット
・段差に弱い
・雨・風・夜間に弱い
・電動は充電の問題
・大荷物には不向き
■まとめ
「キックボード×防災」は、
災害時のサブ移動手段としては充分にアリ。
ただし…
● 道路が安全なときだけ
● ヘルメット必須
● 荷物は少なめ
● 豪雨・地震直後は乗らない
● 電動は充電管理が最重要
これらを守れば、
キックボードは“徒歩より速く・車より柔軟に動ける”
防災アイテムとして力を発揮します。
日常移動にも使えるため、
1台持っておくと災害時に“確かな逃げ道”を確保できます。

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