令和7年12月15日、東京都港区の個室サウナにおいて火災が発生し、現場では2名の死亡が確認される重大事故が起きました。火災原因は現在も調査中ですが、この事案を受け、消防庁予防課長名で全国の都道府県消防防災主管部長、東京消防庁、指定都市消防長あてに「個室サウナの安全確認」についての通知が発出されました。
■① 通知が出された背景
個室サウナは、
・完全個室
・高温環境
・外部から利用者の状態が見えにくい
といった特徴を持ち、火災や体調急変が発生した場合に発見や避難が遅れるリスクがあります。今回の火災では、こうした構造的リスクが顕在化した形となりました。
■② 消防庁が求めている対応の方向性
消防庁は、今回の火災を踏まえ、以下の点について各自治体に配意を求めています。
・保健衛生部局と消防部局が連携すること
・個室サウナを有する施設の実態把握
・避難経路等を中心とした安全確認の実施
東京都では、保健衛生部局と消防が合同で、個室サウナ施設の実態把握と安全確認を順次行う予定とされています。
■③ 特に重要となる「避難経路」の視点
個室サウナにおいて最も重要なのが、
「異常時に確実に避難できるか」という点です。
具体的には、
・避難経路が明確か
・扉が内側から容易に開放できるか
・火災時に煙や熱が滞留しやすい構造になっていないか
といった観点での確認が不可欠です。個室という性質上、一般の大浴場型サウナ以上に、避難安全性の確保が求められます。
■④ 各自治体への周知要請
消防庁は、各都道府県消防防災主管課に対し、
・管内の市町村
・消防の事務を処理する一部事務組合
を含め、今回の趣旨を速やかに周知するよう求めています。これは全国的に同様のリスクが存在することを前提とした対応です。
■⑤ 消防組織法に基づく「助言」としての通知
今回の通知は、消防組織法第37条に基づく「助言」として発出されています。
これは強制的な命令ではありませんが、専門機関としての消防庁が、明確な危険性を踏まえて示した重要な指針であることを意味します。
■⑥ 現場目線で見る個室サウナのリスク
元消防職員の立場から見ても、個室サウナは、
・火災の初期発見が遅れやすい
・利用者の体調異変に気づきにくい
・閉鎖空間ゆえに一気に危険度が高まる
という特徴があります。
「今まで事故がなかったから大丈夫」という考え方は、最も危険です。
■⑦ まとめ|個室サウナは“静かな危険”を抱える施設
今回の通知は、個室サウナという新しい形態の施設に対し、従来以上の安全確認が必要であることを明確に示しています。
・設備の安全
・避難経路の確保
・部局間連携によるチェック
これらを重ねることでしか、同様の悲劇は防げません。
防災の視点から、個室サウナの安全対策は今後さらに重要なテーマとなっていくでしょう。

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