【元消防職員が解説】陥没事故におけるはしご車の活用|防災×陥没事故

道路や歩道の陥没事故は、都市部を中心に近年増加傾向にあります。上下水道管の老朽化や豪雨、地盤の弱体化などが要因となり、突然発生する陥没は人や車両を巻き込む重大事故につながります。こうした現場で有効な資機材の一つが「はしご車」です。


■① 陥没事故の特徴と初動対応の重要性

陥没事故の最大の特徴は、
・地盤が不安定
・二次崩落の危険が高い
・地下空間の状況が把握しにくい

という点にあります。初動段階で不用意に人が近づくと、救助者自身が被災するおそれがあります。そのため、安全を確保した上での立体的な救助手段が求められます。


■② はしご車が有効となる理由

はしご車は、
・地面に直接立ち入らずに活動できる
・上方からのアプローチが可能
・救助・観察・搬送を同時に行える

といった特性を持ち、陥没現場との相性が非常に高い車両です。特に地盤が不安定な場合、地上隊の進入を最小限に抑えられる点が大きな利点です。


■③ 上空からの状況把握と安全確認

はしご車を伸梯することで、
・陥没の規模
・周囲地盤の亀裂
・地下空間の広がり

などを高所から俯瞰的に確認できます。これは、二次災害防止の観点で極めて重要であり、救助計画立案の精度を高めます。


■④ 要救助者への接近手段としての活用

陥没穴の内部に人が取り残されている場合、
・はしご先端からの降下
・バスケットを用いた接近

といった方法により、地盤に荷重をかけずに救助者を近づけることが可能です。ロープ救助と併用することで、安全性をさらに高めることができます。


■⑤ 搬送・救出時の安全確保

救出後の要救助者は、
・担架固定
・バスケット収容

により、はしご車を使って安全に引き上げることができます。地上の不安定な場所を通過させずに搬送できる点は、二次被害防止に直結します。


■⑥ 夜間・悪天候時の有効性

はしご車には照明装置が装備されており、
・夜間
・降雨時
・視界不良時

でも安定した活動が可能です。陥没事故は時間帯を選ばず発生するため、照明と高所作業を同時に行えるはしご車は重要な戦力となります。


■⑦ 使用時の留意点

一方で、はしご車の活用には注意点もあります。

・車両設置位置の地盤確認
・アウトリガー設置時の沈下防止
・地下埋設物への配慮

これらを怠ると、はしご車自体が転倒・沈下する危険があります。現場では土木部局や警察と連携し、慎重な判断が必要です。


■⑧ まとめ|陥没事故対応における重要な選択肢

陥没事故は「見えない危険」を多く含む災害です。
はしご車は、
・安全距離を保った救助
・立体的なアプローチ
・二次災害の回避

を可能にする有効な資機材です。今後、インフラ老朽化が進む中で、陥没事故対応におけるはしご車の活用は、ますます重要な戦術の一つとなっていくでしょう。

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