【元消防職員が解説】ジオグラフィカの試行結果について|防災×地理情報アプリ

災害対応や遭難救助の現場において、スマートフォンの地理情報アプリは重要な役割を担っています。その中で、登山者やアウトドア利用者を中心に活用されている「ジオグラフィカ」について、防災の観点から試行結果を整理します。


■① ジオグラフィカとは何か

ジオグラフィカは、オフラインでも利用可能な地理情報アプリです。

・GPSによる現在地把握
・登山道や地形図の表示
・通信圏外でも動作可能
・位置情報の記録・共有が可能

特に山間部や災害発生時の通信障害下での活用が想定されています。


■② 防災分野での試行目的

今回の試行では、以下の点を主な目的としました。

・通信不能時の位置把握の可否
・救助要請時の情報精度
・現場職員・一般利用者の操作性
・防災アプリとしての実用性評価

特に「遭難・孤立時に使えるか」が重要な評価軸となります。


■③ 試行で確認された有効性

試行の結果、以下の点で有効性が確認されました。

・GPS精度が高く、現在地誤差が小さい
・通信が切れても地図表示が継続
・スクリーンショットによる位置共有が容易
・紙地図と比べて即応性が高い

山岳救助や広域災害時の位置特定補助として、一定の効果が認められました。


■④ 課題として見えた点

一方で、課題も明確になりました。

・事前の地図ダウンロードが必須
・バッテリー消費が大きい
・操作に慣れていないと誤操作が起きやすい
・高齢者やスマホ不慣れ層にはハードルが高い

「入れているだけ」では使えない点が、防災利用の弱点です。


■⑤ 消防・救助活動での活用可能性

消防・警察・自治体職員の視点では、

・登山者の位置説明が具体化する
・口頭説明より正確な位置把握が可能
・ドローン・ヘリとの連携資料として有効

といった点で、現場活動を補助するツールとして有用と評価できます。


■⑥ 一般利用者に求められる備え

防災目的で活用する場合、以下の準備が不可欠です。

・自宅Wi-Fi環境で地図を事前保存
・定期的な操作練習
・予備バッテリーの携行
・家族間での使い方共有

「非常時に初めて使う」は最も危険です。


■⑦ 他の防災アプリとの違い

ジオグラフィカは、

・避難情報の通知
・行政アラート機能

といった機能は持ちません。その代わり、

・位置把握に特化
・シンプルで軽量

という特性があります。防災アプリは「役割分担」で使うことが重要です。


■⑧ まとめ|ジオグラフィカは“位置を守る防災ツール”

試行結果から、ジオグラフィカは

・遭難防止
・孤立時の自己位置把握
・救助活動の補助

という点で、防災に有効なツールであることが確認されました。

ただし、事前準備と訓練が前提です。
「入れて終わり」ではなく、「使える状態を維持する」ことが、防災×IT活用の本質と言えます。

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