2025年11月18日に大分市佐賀関で発生した大規模火災では、ドローン(無人航空機)が鎮火後の調査や被害把握に本格的に活用されました。
本事案は、火災対応におけるドローン活用の有効性を示す、象徴的な事例と言えます。
■① 佐賀関火災の概要とドローン投入の背景
佐賀関火災では、鎮火後も再燃リスクが懸念され、
・広範囲にわたる焼失区域
・立ち入り困難な箇所
・残熱の有無確認
といった課題がありました。
これに対し、人が立ち入らずに安全かつ迅速に確認できる手段として、ドローンが投入されました。
■② 鎮火後の熱源調査への活用
大分県ドローン協議会の防災・減災分科会は、小型無人機を活用し、蔦島周辺の残熱調査を実施しました。
さらに、
・大分大学
・サーマルカメラ搭載ドローン
により、鎮火後も100度以上の高温部位が検知されました。
これにより、
・再燃リスクの把握
・地上部隊の安全確保
・効率的な重点確認
が可能となり、地上調査を強力に補完しました。
■③ 被害状況の3D可視化と記録活用
本火災では、被害の全体像を把握するため、3D可視化も行われました。
・ヘリ空撮写真1781枚
・ドローン映像
を組み合わせ、焼失範囲を立体的に再現。
共同通信と大学研究者、大分合同新聞社などが連携し、
・焼失範囲の把握
・被害構造の分析
・将来の検証・教訓化
に活用できるデータが構築されました。
■④ 消防活動・調査に与えた効果
ドローン活用により、
・鎮火確認の迅速化
・再燃確認の精度向上
・消防隊員の安全確保
・被害記録の正確性向上
といった効果が得られました。
市消防局もドローンによる焼失確認を実施し、人的リスクを最小化した調査が可能となりました。
■⑤ 過去災害との比較で見える進化
大分県では、過去の豪雨災害などでもドローンが活用されてきましたが、佐賀関火災では、
・熱源検知
・3Dモデル化
・報道・研究・行政の連携
まで含めた多層的活用が行われた点が特徴です。
単なる空撮にとどまらず、意思決定を支えるツールとして位置づけられています。
■⑥ 火災対応におけるドローンの今後
今回の事例から見える今後のポイントは、
・鎮火後調査への標準装備化
・サーマルカメラ活用の拡大
・消防と大学・民間の連携
・記録データの防災教育・検証活用
です。
火災対応におけるドローンは、
「あれば便利」から「なければ困る装備」へと移行しつつあります。
■⑦ まとめ|火災現場の安全と判断を支えるドローン
佐賀関火災は、
・消防活動の安全性
・調査の正確性
・再燃防止
・教訓の蓄積
という観点で、ドローンの価値を明確に示しました。
今後、火災・災害現場において、
ドローンは人命と判断を守る防災インフラとして、さらに重要性を増していくでしょう。

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