冬は気温が低く、さらに暖房を使うことで
室内の湿度が 20〜30%台 まで下がることがあります。
湿度が下がると、
● 火災が一気に広がる
● 静電気でスパークが起きやすい
● のど・鼻が乾燥して体調悪化
● 子どもの鼻血が増える
など、冬特有の「乾燥リスク」が高まります。
ここでは、防災士として
“冬の乾燥が引き起こす危険”と、その対策を解説します。
■① 冬の乾燥は「火災が10倍以上広がりやすくなる」
冬の室内は、暖房で湿度が急低下します。
湿度30%を切ると…
● 布・紙・ほこりが燃えやすい
● 火の粉が飛ぶだけで引火
● ストーブ火災が広がりやすい
● 電気ヒーターの周りが危険
特に「乾燥+暖房+洗濯物+布団」が重なる冬は火災が急増。
【危険レベル】
湿度50% → 普通
湿度30% → 火災リスク急増
湿度20% → 最も危険
■② “静電気”も冬の火災要因
乾燥した部屋では静電気が発生し、
ガソリン・スプレー缶・ガスコンロの火に引火する事故も発生します。
【静電気が起きるポイント】
✔ セーター
✔ 毛布
✔ カーペット
✔ フリース素材
【対策】
✔ 加湿
✔ 綿素材の服を増やす
✔ 静電気防止スプレーの活用
■③ 乾燥が引き起こす「健康リスク」
● のど・鼻が乾燥して風邪・感染症に弱くなる
冬にインフルや風邪が流行るのは“乾燥”が主因。
● 子どもの鼻血が増える
乾燥で粘膜が弱くなる。
● ガスファンヒーターでさらに湿度低下
燃焼すると水分が使われるため、さらに乾燥。
■④ 冬の乾燥を防ぐ“正しい加湿方法”
✔ ① 加湿器を使う(湿度40〜60%が理想)
乾燥対策で最も効果的。
✔ ② 洗濯物の室内干し
加湿器がなくても効果は大きい。
✔ ③ 風呂上がりのドア開放
浴室の蒸気で部屋の湿度を上げる。
✔ ④ 植物(観葉植物)を置く
自然な加湿効果。
✔ ⑤ ストーブ上のやかんは“放置厳禁”
加湿になるが、放置火災が多いので注意。
■⑤ 冬の乾燥火災を防ぐための“部屋のチェック”
✔ ストーブ周囲にものを置かない
✔ 加湿器の給水を忘れない
✔ 洗濯物はストーブから離す
✔ 加湿しすぎて結露が出たら換気
✔ カーテン×暖房は距離を保つ
■⑥ 一番危ないのは“夜”
夜は…
● 暖房つけっぱなし
● 加湿器だけ止まる
● 乾燥+寝具が近い
● 火災発見が遅れる
という最悪の組み合わせになりやすい。
【対策】
✔ 就寝前に湿度チェック
✔ 暖房タイマーの設定
✔ 水分を摂って寝る
■まとめ
冬の乾燥は、
・火災拡大
・静電気
・健康悪化
といった危険を引き起こします。
しかし、
● 湿度40〜60%
● 洗濯物干し
● 風呂の蒸気
● 加湿器
などを組み合わせることで、
安全で快適な“冬の室内環境”を守ることができます。
冬の防災対策は「乾燥を敵にしない」ことが第一歩です。

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