大きな磁気嵐が観測され、地球周辺の宇宙環境が大きく乱れています。これは一見すると日常生活と無関係に思われがちですが、実は防災・危機管理の観点では無視できない現象です。
■① 磁気嵐とは何か
磁気嵐とは、太陽表面で発生した大規模な爆発現象(フレアなど)によって放出された高エネルギーの荷電粒子(電子・陽子など)が地球に到達し、地磁気に大きな乱れを生じさせる現象です。
地磁気は通常安定していますが、磁気嵐が起きると数分から数時間にわたり大きく変動します。
■② 今回観測された磁気嵐の規模
気象庁地磁気観測所(茨城県石岡市柿岡)の観測によると、今回の磁気嵐では次のような特徴が確認されています。
- 地磁気の乱れ開始:20日 04時17分
- 最大変動幅:427nT(ナノテスラ)
- 観測継続中(21日09時時点)
参考として、日本付近の平穏時の地磁気の日変化は約50nT程度であり、今回の数値はその8倍以上に相当します。
■③ 過去との比較から見る異常性
1924年以降の観測記録では、最大級の磁気嵐は1941年7月4日に観測された700nT超とされています。今回の427nTはそれに次ぐ規模であり、決して軽視できるレベルではありません。
■④ 磁気嵐が引き起こす可能性のある影響
大規模な磁気嵐が発生すると、次のような影響が懸念されます。
- 短波通信(船舶・航空機通信)の障害
- GNSS(GPS)測位の精度低下や誤差増大
- 航空・海上輸送の運航管理への影響
- 災害対応時の位置情報・通信確保への支障
防災・救助・医療・物流など、通信・測位に依存する分野ほど影響を受けやすいのが特徴です。
■⑤ 原因と現在の見通し
国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)によると、今回の磁気嵐は1月19日 03時09分に発生した太陽表面のフレアが原因とみられています。
地磁気の乱れは一定期間続く可能性があり、状況の継続的な監視が重要です。
■⑥ 防災の視点で意識すべきポイント
磁気嵐は直接的な災害ではありませんが、以下の点で防災と深く関係します。
- 災害発生時の通信障害リスクの増大
- GPSに依存した避難誘導・位置把握への影響
- 航空・海上事故の二次的リスク
「通信が当たり前に使える」という前提を見直し、複数手段の確保が重要になります。
■⑦ 最新情報の確認方法
最新の地磁気観測状況は、気象庁地磁気観測所の公式ホームページで確認できます。
- 気象庁 地磁気観測所
https://www.kakioka-jma.go.jp/index.html
■⑧ まとめ|見えないリスクも防災の一部
磁気嵐は目に見えない自然現象ですが、現代社会では通信・測位・情報インフラを通じて大きな影響を及ぼします。
災害に備えるとは、「地上の危険」だけでなく、「宇宙からの影響」も含めて考えること。これもまた、耐災害力を高める一つの視点です。

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