【防災士が解説】防災×情報災害|SNSデマは人の尊厳と命を二度奪う

福岡市城南区のマンションで、母親(33歳)と6歳・4歳の子ども2人、計3人が亡くなるという痛ましい事案が発生しました。
警察は無理心中の可能性も含めて慎重に調査を進めています。

しかし事件後、SNS上では
「生活保護を断られて餓死した」
といった事実と異なるデマ動画や投稿が拡散しました。


■① デマは“災害”として扱うべき段階に来ている

今回の件で、福岡市は
「生活保護を断られた母子3人が亡くなったという情報は事実ではない」
と公式に否定し、発信者情報の開示請求を進めています。

高島市長は会見で、

「絶対に許さないという姿勢を見せることが肝要」

と強い言葉で述べました。

これは単なる炎上対策ではなく、
デマそのものが社会を壊す“災害”になっているという認識です。


■② なぜ防災の文脈で語る必要があるのか

防災とは、

  • 地震や豪雨から命を守ること
  • 生活や尊厳を壊すリスクから人を守ること

も含みます。

今回のようなデマは、

  • 亡くなった方の尊厳を踏みにじる
  • 遺族・関係者を二次被害で追い込む
  • 行政や制度への不信を煽る
  • 本当に支援を必要とする人を萎縮させる

という連鎖的被害を生みます。

これは、明確に災害級の社会的被害です。


■③ AI時代、デマは「簡単・大量・もっともらしい」

高島市長は次のようにも述べています。

  • AIによって、誰でもそれらしい動画を作れる
  • 行政が個人情報を言えないことを逆手に取られる
  • 放置すれば市民の尊厳が踏みにじられる

いまのデマは、

  • 匿名
  • 短時間
  • 感情を強く揺さぶる

という特徴を持ち、拡散される前提で設計されています。


■④ 「善意で拡散した」が最も危険

災害現場でもよくあるのが、

「役に立つと思って回した」

という行動です。

しかし、

  • 出典不明
  • 行政・警察・公式発表と不一致
  • 強い怒りや恐怖を煽る表現

この3点がそろった情報は、
一度立ち止まるべき情報です。


■⑤ 防災士として伝えたい“判断基準”

防災の現場では、常にこう教えられます。

「分からない情報は、動かない」

これは情報災害でも同じです。

  • 自分が怒りを感じた
  • 「ひどい」「許せない」と思った
  • すぐ誰かに伝えたくなった

その感情こそが、
デマが狙っているポイントです。


■⑥ 行政が「許さない」と示す意味

今回、福岡市が開示請求まで踏み込んだことは、

  • デマは表現の自由ではない
  • 人の尊厳を壊す行為は許容しない
  • 放置しないという明確なメッセージ

を社会に示した点で、非常に重要です。

これは、
次の被害者を生まないための防災行動でもあります。


■⑦ 私たち市民ができる唯一で最大の対策

情報災害に対する市民側の防災行動は、シンプルです。

  • 事実確認ができない情報は拡散しない
  • 怒りを煽る動画ほど距離を取る
  • 行政・警察・公式発表を優先する

「拡散しない」ことは、
最も効果の高いデマ対策です。


■⑧ まとめ|デマは人を二度殺す

今回亡くなった母子3人は、

  • 事実とは異なる物語を作られ
  • ネット上で消費され
  • 尊厳を踏みにじられました

これは、
命が失われた後にも起きる“二次災害”です。

防災とは、
自然だけでなく、
人が生むリスクからも命と尊厳を守ること

その視点を、今こそ共有する必要があります。

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