走行中の車からタイヤが外れる事故が、近年各地で相次いでいます。
一見すると整備不良による単独事故のように思われがちですが、実際には歩行者や他車両を巻き込み、命に関わる重大事故につながる危険性をはらんでいます。
防災の視点では、これは「交通事故」ではなく「予測可能で防げた人為災害」と捉える必要があります。
■① 近年多発する「タイヤ脱落事故」の実態
近年、北海道をはじめとする積雪寒冷地を中心に、走行中の車両からタイヤが脱落する事故が繰り返し発生しています。
大型トラックだけでなく、軽自動車や乗用車でも確認されており、特別な車両に限った問題ではありません。
タイヤが外れるタイミングは、発進時や低速走行時が多く、市街地や国道で発生すれば、歩行者や対向車を直撃する恐れがあります。
実際、近年には歩行者が巻き込まれる重大事故も発生しており、「たまたま人がいなかった」だけで済んだ事例も少なくありません。
■② 冬タイヤ交換が事故リスクを高める理由
積雪地域では、春と秋にタイヤ交換を行う習慣があります。
この際、整備工場ではなく個人で交換するケースも多く、ここに大きなリスクが潜んでいます。
特に多いのが、
・ナットの締め付け不足
・トルク管理未実施
・交換後の増し締め未実施
といった基本作業の省略です。
近年の事故では、
「交換後しばらく走行していた」
「異音や違和感に気付いていたが走行を続けた」
というケースが目立ちます。
■③ 異音・ふらつきを「様子見」する危険性
タイヤ脱落事故の多くは、事前に異変が起きています。
・ゴトゴトという異音
・ハンドルの取られ感
・直進時のふらつき
これらはすべて「走行継続NGサイン」です。
しかし近年の事故では、「大丈夫だろう」「もう少し走れる」と判断し、結果的に脱落事故に至った例が後を絶ちません。
防災の基本は「異常を感じたら行動を止める」ことです。
火災や災害と同じく、初期対応の遅れが被害を拡大させます。
■④ タイヤ脱落は“自分以外”の命を奪う事故
タイヤが外れた瞬間、車体は制御不能に近い状態になります。
さらに、外れたタイヤそのものが凶器となり、歩行者や周囲の人に直撃する危険があります。
近年では、不適切な整備や改造が原因で、無関係な通行人が被害に遭う事故も発生しています。
これは「運転者だけの問題」ではなく、完全な第三者被害を生む事故です。
■⑤ 今日からできるタイヤ脱落防止の基本行動
タイヤ脱落事故は、特別な知識がなくても防げます。
重要なのは、基本を省略しないことです。
・運転前にタイヤの状態を目視確認する
・交換後は一定距離走行後に必ず増し締めを行う
・走行中に異音やふらつきを感じたら、すぐ安全な場所に停車する
・ナットの締め付け状態、空気圧、ひび割れを定期的に確認する
これらはすべて「特別な対策」ではなく、最低限の安全行動です。
■⑥ 防災の視点で考える「車両トラブル」
防災とは、地震や火災だけを指す言葉ではありません。
人の判断ミスや確認不足によって起きる事故も、防災で防ぐべきリスクです。
現場では、
「あと少しで大事故だった」
「人がいなくて助かった」
という事例を数多く見てきました。
事故は運ではなく、備えで防げます。
■⑦ まとめ|タイヤは“消耗品”であり“命綱”
近年相次ぐタイヤ脱落事故は、毎年繰り返されている現実です。
しかし、その多くは事前の確認と早めの対応で防げた事故でもあります。
車は便利な移動手段である一方、扱いを誤れば凶器になります。
自分と家族、そして無関係な他人の命を守るためにも、
「異常を感じたら止まる」
この判断を、ぜひ習慣にしてください。

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