冬は年間を通して もっとも救急搬送が増える季節 です。
その理由は「寒いから体調を崩しやすい」だけではありません。
防災・救急の現場では、冬特有のリスクが重なり、重症化しやすい傾向があります。
ここでは、消防の救急現場で見てきた“冬の救急リスク”と、
家庭でできる対策をわかりやすくまとめます。
■① 冬に救急搬送が増える理由
● 1. 気温低下で血圧が急上昇
冬の朝は血圧が跳ね上がり、
● 脳梗塞
● 心筋梗塞
など、重症事案が多発。
● 2. 感染症（インフル・ノロ）がピーク
冬は感染性胃腸炎やインフルエンザが急増。
子ども・高齢者は脱水にもなりやすい。
● 3. 転倒事故が増える
● 凍結路面
● 玄関の段差
● 床の冷え
による転倒は骨折につながりやすい。
● 4. 暖房器具による事故
● 一酸化炭素中毒
● ストーブ接触による火傷
● 暖房中の乾燥による呼吸苦
が冬特有の救急事案。
● 5. 低体温症
不十分な防寒や長時間の屋外活動で発生。
高齢者は屋内でも低体温になる。
■②冬に多い救急事案（現場で多かったもの）
✔ ① 朝の胸痛・意識障害
血圧急上昇＋冷えが原因となるケースが多い。
✔ ② 子どもの高熱・痙攣
冬の救急搬送で常に上位。
✔ ③ 高齢者の転倒による骨折
特に大腿骨頸部骨折は要注意。
✔ ④ 嘔吐・下痢（感染性胃腸炎）
脱水が急速に進むため注意。
✔ ⑤ 屋内での低体温
暖房をケチったり、服が薄いと室内でも発生。
■③ 家庭でできる冬の救急予防
✔ ① 朝は急に動かない
起床 → 30秒座る → ゆっくり立ち上がる
だけで血圧の急上昇を防げる。
✔ ② 水分補給を“冬でも”習慣に
暖房で乾燥し、体内の水分が奪われている。
✔ ③ 加湿器＋換気で呼吸器を守る
乾燥は感染症リスクを跳ね上げる。
✔ ④ 玄関・浴室・寝室の「温度差」をなくす
ヒートショック予防にもっとも効果的。
✔ ⑤ 転倒予防
● 滑り止めシート
● 段差の照明
● 履物の見直し
は効果大。
■④ 救急車を呼ぶか迷ったら
冬は症状が急変しやすい季節。
以下は迷わず通報すべきサインです。
◎ 呼吸が苦しい
◎ 意識がもうろう
◎ 激しい胸痛・圧迫感
◎ 痙攣
◎ 急な冷汗・顔面蒼白
◎ 高熱でぐったり（特に子ども）
■まとめ
冬は、救急事案が年間トップになる季節です。
寒さは体の負担になり、感染症も増えるため、
「予防」と「早めの対応」が最も大切です。
冬の救急対策は、家庭の小さな工夫で大きく変わります。
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