「消防」と聞くと、
“火事のときに駆けつける人”
というイメージが強いですが、実際の消防は それだけではありません。
現場で働いてきた経験から、
消防が担う本当の役割を5つに分けて、
わかりやすくまとめます。
■① 消防の役割は“火災だけ”ではない
消防の仕事は、大きく分けて以下の5つです。
■1. 消火(火災対応)
消防の核となる使命。
建物火災・車両火災・林野火災など、
あらゆる火事に対応します。
消火で重要なのは
● 初期消火の迅速さ
● 炎の拡大防止
● 要救助者の救出
● 延焼先(隣家・山林)の保護
火事は秒単位で進行します。
■2. 救急(命を守る最後の砦)
119の出動の7割以上は救急。
心肺停止・交通事故・転倒・急病・ケガなど、
すべてに出動します。
救急隊が行うこと
● 患者評価
● 応急処置
● AED
● 酸素投与
● 搬送先の選定
冬は救急がもっとも増える季節です。
■3. 救助(高度な専門活動)
火災・交通事故・水難・山岳・建物倒壊などで
“挟まれた・閉じ込められた”人を救出する部門。
代表的な救助活動
● 車両事故の切断・引き離し
● 水難救助
● 高所救助
● 崩壊建物の救出
● 機械にはさまれた人の救出
救助はまさに秒とミリ単位の判断が必要です。
■4. 予防業務(火事を起こさせない仕事)
火災を減らす“消防の裏方のエース”。
実は火事を消すより 火事を起こさせないこと の方が大切。
予防の仕事内容
● 建物の消防設備のチェック
● 立入検査
● 避難経路の確認
● 店舗・工場の安全指導
● 花火大会などイベントの事前審査
大規模火災の多くは「予防」が弱いと起きます。
■5. 防災・地域教育(住民を守る仕事)
● 消防訓練
● AED講習
● 地域の防火指導
● 子ども向け教育
● 防災イベント
防災リテラシーを上げるのも消防の重要な役割。
■② 消防の1日は“想像以上に多忙”
● 朝の点検
車両・資機材をすべてチェック。
● 訓練
放水・救助・救急のローテーション。
● 予防業務
店舗・病院などへ指導に向かう。
● 夜間の火災・救急へ出動
24時間いつ来るかわからない。
■③ 消防士に求められる能力
● 体力
火災現場は非常に過酷。
● 判断力
命を預かる職業。
● チームワーク
消防は3人1組が基本(救急も同じ)。
● コミュニケーション
住民説明・搬送先選定などで必須。
■④ 消防の未来(AI・ドローン・電動化)
● ドローンによる上空監視
● AIによる火災予測
● 電動消防車の導入
● スマート消防指令
● VR訓練
消防の現場は今、大きく変わりつつあります。
■まとめ
消防の役割は
● 消火
● 救急
● 救助
● 予防
● 防災教育
この5つが揃ってこそ、地域の安全が保たれます。
消防は“火を消すだけの仕事”ではありません。
地域の安心を守る、総合的な安全機関です。

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