【元消防職員が解説】消防士は“なぜチームで動くのか?”── 一人では絶対に活動できない消防の鉄則と、その理由

消防の現場では 「必ずチームで行動する」 という鉄則があります。
火災・救助・救急……どの活動でも、
「一人で動く」という選択肢は存在しません。

ここでは、消防がチーム行動を徹底する本当の理由を
元消防職員の視点からわかりやすく解説します。


■① 消防は“単独行動が最も危険”な職業


● 1. 即時救助が必要な事故が多い

建物崩壊・爆発・煙充満など、
1秒の遅れで命に関わる。
単独では誰も助けに行けない。


● 2. 判断ができない状況が多い

視界ゼロ・高熱・騒音・煙。
正しい判断が一人では困難。


● 3. 装備が重く1人で扱えない

● 空気呼吸器
● ホース延長
● 救助工具
複数名で補完しながら使うのが前提。


● 4. 消防隊は“相互監視”が基本

誰かが危険に近づけば、隊員が必ず声をかける。
単独行動は事故の原因。


■② チームで動くための“最小単位”は3人

消防活動の基本は 3人体制


● 隊長(リーダー)

指揮・判断・安全管理を担当。

● 機関員(車両操作)

ポンプ・車両・無線の管理。

● 隊員

最前線で消火・救助を行う。

この3人がワンセットとなる。


■③ 火災現場でチーム行動が必要な理由


✔ 1. ホースは1人では操作できない

水圧で反動が強く、
・保持
・進入
・撤退
すべて2人以上で行う。


✔ 2. 建物進入は“バディ行動”

1人が倒れれば、相方が必ず救い出す。
進入も退避も常にペア。


✔ 3. 退避命令を共有する必要がある

隊長の指示を全員が同時に聞くことで
逃げ遅れを防ぐ。


✔ 4. 視界ゼロの中で方向感覚を共有

壁沿い・ホース沿いの進行は、
1人では迷う危険が高い。


■④ 救助現場では“統率力”が命を左右する

救助はミリ単位の作業が多く、
チーム行動はさらに厳密。


● 車両事故の救助

・車体安定化
・ガラス破砕
・工具操作
・傷病者保護
役割が細かく分かれており、
1人が勝手に動くと事故が起きる。


● 水難・山岳救助

単独行動は絶対禁止。
ロープ確保・監視・支点管理など全員で補完。


■⑤ 救急現場でも3人チームの意味がある


● 1人 → 患者観察

● 1人 → 処置(酸素・吸引など)

● 1人 → 搬送先との連絡・記録

冬場や高齢者の急変では秒単位で役割が必要。


■⑥ チームの強さ=地域の安全

消防は“個人技の仕事”ではなく、
全員が同じ基準・同じ動き・同じ判断で活動する組織

この統率があるからこそ、
混乱した現場でも安全に活動できる。


■まとめ

消防士は
● 一人で現場に入らない
● 一人で判断しない
● 一人で作業しない

これが鉄則。

チーム行動は
“隊員の命”と“住民の命”を守るための基本です。
消防の強さは、個々ではなく“チーム力”によって支えられています。

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