冬の災害は、夏のように派手ではありません。
しかし実は 命に直結する“静かな災害” が多く、
消防でも冬は非常に緊張する季節です。
元消防職員として、冬に起こる災害と
市民が特に注意すべきポイントをまとめます。
■① 大雪(豪雪)による“生活基盤の崩壊”
冬に最も多い災害が 大雪・豪雪。
【大雪が引き起こす二次災害】
● 停電
● 交通麻痺
● 物流停止
● 孤立集落
● 屋根の雪による建物損壊
● 除雪中の事故
特に 高齢者の一人暮らし地域 は被害が集中しやすい。
■② 強風で火災が一気に拡大(冬火災の特性)
冬は季節風が強く、火災が起こると
● 火が横に広がる
● 洗濯物・建材にすぐ引火
● 隣家へ延焼が早い
乾燥と組み合わさることで“冬の風は火災を増幅させる”。
■③ 低温災害(凍死・低体温症)
冬の災害で見落とされがちなのが 低体温症。
【弱者ほど危険】
● 高齢者
● 子ども
● 屋外作業者
● 酔って屋外で寝る人
災害時に暖房が止まると、
低体温は一気に命へ直結する。
■④ 冬の停電は“最悪の災害”
冬に停電が起こると…
● 暖房が止まる
● 電気毛布・こたつも停止
● 室温が急低下
● 低体温で倒れる
● 再通電時の火災
停電 × 冬 の組み合わせは災害として最も危険。
■⑤ 雪で“救急車が遅れる”
豪雪地域では、
● 道路が狭い
● 車が埋まる
● 消火栓が雪に埋まる
これらの影響で救急・消防が遅れる。
冬災害では「救助までの時間」が夏より長くなる。
■⑥ 雪崩(なだれ)も冬の重大災害
特に山間部で増える災害。
【起こりやすい条件】
● 新雪が大量に積もる
● 気温が一気に上昇
● 風で雪が偏る斜面
巻き込まれると数分で窒息に至る危険がある。
■⑦ 給湯器・水道管の凍結も“災害”
冬は水道管凍結が多く、
破裂すると水が噴き出し「家の中が浸水」するケースも。
停電中は給湯器が復旧せず、
再起動時に故障することもある。
■⑧【冬の災害に備えるための対策】
■① 3日分の“暖が取れる備蓄”を用意
● カイロ
● 毛布
● 冬用寝袋
● カセットコンロ
● LEDランタン
■② 家の断水・停電を前提にする
冬は水道管破裂が多い。
■③ ストーブ周囲1m以内は“何も置かない”
火災 → 延焼の速度が冬は倍。
■④ 車のガソリンは常に半分以上
豪雪時は立ち往生が起きやすい。
■⑤ 消火栓周りの雪かきを意識
地域全体の防災力が上がる。
■まとめ
冬の災害は
● 低温
● 乾燥
● 強風
● 積雪
● 停電
これらが複合し、被害が大きくなる季節。
静かに、しかし確実に生活を脅かしてくるのが
“冬の災害”の特徴です。

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