家庭で使い終わった食用油が、
飛行機を飛ばす燃料「SAF(次世代航空燃料)」に生まれ変わる。
愛知県で始まった
JALの「すてる油で空を飛ぼう」プロジェクトは、
環境対策だけでなく、防災の視点でも非常に示唆に富む取り組みです。
被災地派遣やLOとして災害現場に立ってきた経験を踏まえ、
このニュースを「防災×エネルギー」の切り口で整理します。
■① 家庭の廃食油が航空燃料になる仕組み
この取り組みでは、家庭で使い終わった食用油をスーパーで回収し、
SAF(Sustainable Aviation Fuel)へ再生します。
・回収対象:サラダ油、オリーブオイルなど常温で液体の植物性油
・対象外:動物性油、固形油、食品や香辛料が混ざった油
回収された廃食油の約8割がSAFへ変換され、
ライフサイクル全体でCO₂排出量を約80%削減できるとされています。
■② 「空を飛ばす燃料」は災害対応でも重要
航空燃料は、
平時の移動だけでなく、災害時には次の役割を担います。
・物資輸送
・人員派遣
・医療搬送
・孤立地域へのアクセス
被災地派遣の現場では、
「飛べるかどうか」が支援のスピードを大きく左右しました。
燃料の安定確保は、
防災インフラそのものと言っても過言ではありません。
■③ 災害現場で見た「エネルギーの脆さ」
大規模災害では必ず起こります。
・燃料不足
・輸送の停滞
・供給網の寸断
特に孤立地域では、
「燃料が入らない」ことが復旧を遅らせました。
エネルギーを一極集中させず、
循環型で確保する考え方は、
防災の世界でも重要なテーマです。
■④ 家庭参加型の取り組みが防災力を高める理由
このプロジェクトの特徴は、
一般家庭が直接参加できる点です。
・特別な知識はいらない
・日常の延長で参加できる
・行動が社会インフラにつながる
防災でも同じで、
「特別な人がやるもの」では続きません。
家庭レベルの小さな行動が、
社会全体の耐災害力を底上げします。
■⑤ 食とエネルギーは被災地で直結する
被災地では、
・食料
・燃料
・輸送
これらは常にセットで問題になります。
廃食油を資源として再利用する考え方は、
将来的に災害時のエネルギー確保にも応用可能です。
「捨てるものはない」という発想は、
現場経験から見ても非常に重要です。
■⑥ 防災は「環境対策」と切り離せない時代へ
気候変動は、
災害の激甚化と直結しています。
・豪雨
・猛暑
・大型台風
航空業界の脱炭素化は、
長期的には災害リスク低減にもつながります。
防災と環境対策は、
もはや別の話ではありません。
■まとめ
家庭の使用済み食用油が、
空を飛び、命を運び、社会を支える。
この取り組みは、
「防災は日常から始まる」ことを
分かりやすく示しています。
被災地で実感したのは、
インフラは突然作れないという現実でした。
だからこそ、
平時の小さな循環が、
非常時の大きな支えになります。
防災は、
特別な備えだけでなく、
日常の選択の積み重ねでもあります。

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