【元消防職員・防災士が解説】防災×車中立ち往生|大雪で動けなくなった時に「生き延びる備え」19の視点

大雪による車の立ち往生は、もはや珍しい出来事ではありません。
2020年12月の関越自動車道では約2100台が最大52時間立ち往生し、多くの人が寒さ・トイレ・体調不良に直面しました。
被災地派遣や雪害対応に関わってきた立場から言えば、車中立ち往生は「雪害という災害の一形態」です。


■① 大雪の立ち往生は「自分の運転技術」では防げない

どれだけ雪道に慣れていても、
・前方での事故
・大型車のスタック
・急激な天候悪化

これらに巻き込まれれば、個人ではどうにもなりません。
現場では「自分は大丈夫だった」という人ほど、準備不足で苦しむ傾向がありました。


■② まず大前提として必要な備え

・スタッドレスタイヤの装着
・チェーン規制に備えたチェーン携行
・出発時はガソリン満タン(EVは満充電)

これは運転技術ではなく生存条件です。
雪が降らない地域でも、都市部のドカ雪では十分起こり得ます。


■③ 立ち往生で最初に困るのは「寒さ」

車内に留まる場合でも、
・燃料節約
・エンジン停止時間の増加

により、低体温症リスクが一気に高まります。

有効な備え

・貼るカイロ
・毛布、ひざ掛け
・予備の防寒着

被災地では「暖房を止めても体温を保てるか」が分かれ目でした。


■④ 次に深刻なのがトイレ問題

長時間の立ち往生では、トイレは必ず問題化します。

必須アイテム

・携帯トイレ(1人5回分目安)
・ポンチョ
・ウェットティッシュ
・トイレットペーパー

現場では「我慢して体調を崩す」ケースが後を絶ちませんでした。


■⑤ 水と食料は「喉と体温」を守る

・ミネラルウォーター(1人3~5本)
・ようかん、栄養補助食品など高カロリー食

利尿作用のある飲料は避けます。
雪を食べるのは厳禁です。体温を奪い、衛生面でも危険です。


■⑥ 情報と連絡を守る電源対策

寒さの中ではスマホの電池は急激に減ります。

・充電ケーブル
・モバイルバッテリー

被災地派遣でも「情報が取れない不安」が人を追い詰めていました。


■⑦ 車外作業・脱出に備える装備

・スノーブラシ
・折りたたみスコップ
・ゴム手袋・軍手
・長靴

タイヤ周辺の除雪ができるかどうかで、脱出できるかが変わります。


■⑧ 命を守るための脱出装備

・脱出用ハンマー
・シートベルトカッター

雪に埋まりドアが開かない事態は、実際に起きています。


■⑨ 夜間・長時間に備える照明

・LEDランタン(車内用)
・懐中電灯(車外用)

車のバッテリーを消耗せず、明かりを確保できます。


■⑩ 停止表示は二次事故防止そのもの

・三角表示板(LEDタイプも可)

雪の中では後続車が気づくのが遅れます。


■⑪ 個人事情への配慮も防災

・生理用品
・常備薬
・子ども・高齢者向け用品

防災は「平均」ではなく「最も弱い人基準」です。


■⑫ 一酸化炭素中毒という見えない危険

エンジンをかける場合は、
・マフラー周辺の除雪
・定期的な換気

雪に埋まった状態でのアイドリングは命の危険があります。


■⑬ ドア周りの除雪も忘れてはいけない

ドアが凍結・埋没すると、
車外に出られなくなります。


■⑭ 一般道では「早めの買い出し」

コンビニはすぐに品切れします。
被災地でも「行動が早い人ほど楽」でした。


■⑮ エコノミークラス症候群への注意

・足指の運動
・ふくらはぎマッサージ
・可能なら体勢を変える

長時間同じ姿勢は、命に関わります。


■⑯ EV・HVは暖房戦略が違う

EVではヒーターは電力消費が大きい。
・電気毛布
・シートヒーター
は消費電力を抑えつつ暖を取れます。


■⑰ 車内トイレの「現実解」

筒状トイレは姿勢が不安定。
座って使える簡易トイレは、特に女性・高齢者に有効です。


■⑱ 備品は「まとめて・分かりやすく」

どこに何があるか分からない備えは、
実際には使えません。


■⑲ 最後に重要なのは「行かない判断」

・天気予報の確認
・警報・通行止め情報
・日中移動の選択

被災地で最も強い防災は、
危険な移動をしない判断でした。


■まとめ|車中立ち往生は災害である

結論として、
大雪による立ち往生は「雪害」という災害そのものです。

元消防職員・防災士として断言できます。
「準備していた人は、恐怖が半分で済む」

車は避難所にもなり、閉じ込められる空間にもなります。
だからこそ、車内備えは命を守る防災装備です。

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