学校は、子どもたちが1日の大半を過ごす場所です。被災地派遣や学校防災訓練に関わってきた経験から感じるのは、学校で身につけた避難行動は一生残るということ。その中で注目したいのが「江戸走り」という身体の使い方です。
■① なぜ学校防災に「江戸走り」なのか
江戸走りは、
・かかとから強く着地しない
・上半身が揺れにくい
・長く動き続けられる
という特徴があります。これは、集団避難で転倒事故を防ぐという学校防災の目的と非常に相性が良い動きです。
■② 避難訓練で多い「走らせすぎ問題」
実際の学校訓練では、「走らないで!」と指示しながらも、子どもは不安でスピードを上げがちです。その結果、
・廊下で転倒
・階段で将棋倒し寸前
という場面を現場で何度も見てきました。
■③ 江戸走りは「速く走らない」避難術
江戸走りは全力疾走ではありません。小刻みで、止まらず、安定して動くことを重視します。これを教えるだけで、避難時の転倒率は大きく下がります。
■④ 子どもに伝えやすいのが最大の強み
「忍者みたいに走ろう」「音を立てない走り方」と伝えると、低学年でもすぐ理解します。SNSやテレビで見たことがある子も多く、遊び感覚で覚えられるのが江戸走りの利点です。
■⑤ 被災地で見た「訓練経験の差」
被災地では、日頃から訓練が行き届いていた学校ほど、
・整列が早い
・指示待ちにならない
・勝手に走り出さない
という傾向がありました。身体で覚えた動きは、混乱時でも出ます。
■⑥ 教員側の負担を減らす効果
江戸走りを取り入れると、「走る・走らない」の曖昧な指示が不要になります。共通の動きがあるだけで統率が取りやすくなるのは、指導する側にとっても大きなメリットです。
■⑦ 体育や防災教育への自然な組み込み
特別な授業を作らなくても、
・体育のウォーミングアップ
・避難訓練の最初の5分
に取り入れるだけで十分です。防災を「特別な日」から「日常」に変えられます。
■⑧ 行政・消防の立場から見た現実
正直に言うと、災害時に全員を完璧に誘導するのは不可能です。だからこそ、子ども自身が安全に動ける型を持っていることが、生存率を上げます。
■まとめ|学校は「生き方」を教える場所
江戸走りは走り方ではなく、力を使い切らず、生き延びるための動きです。
学校でそれを学ぶことは、防災教育であり、生涯役立つ「命の使い方」を学ぶことでもあります。

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