オリンピックで注目されるのは、速さやパワーだけではありません。長時間、安定して動き続ける身体の使い方が勝敗を分けます。この視点は、防災の現場で重視される「江戸走り」と驚くほど共通しています。
■① 江戸走りとオリンピックの共通点
江戸走りは、
・上下動が少ない
・接地衝撃が小さい
・呼吸が乱れにくい
という特徴があります。これは、マラソン、競歩、トライアスロンなど、持久系競技で評価されるフォームと同じ考え方です。
■② 世界のトップ選手が重視する「脱力」
オリンピックレベルの選手ほど、「力を抜く」ことを重視します。肩や腕に力が入ると、エネルギー消費が増え、後半に失速します。江戸走りも同様で、力まない動きが長距離移動を可能にします。
■③ 防災に必要なのは“最速”ではない
災害時に必要なのは、100mを速く走る能力ではありません。
・瓦礫を避けながら
・人混みの中で
・数十分〜数時間動き続ける
こうした条件では、オリンピックの持久系競技と同じ身体戦略が求められます。
■④ 被災地で実感した「後半に差が出る動き」
被災地派遣の現場では、最初に勢いよく動いた人ほど、後半で疲弊していました。一方、一定のペースで淡々と動けた人は、避難所到着後も余力が残っていたのが印象的です。
■⑤ 江戸走りは“避難の省エネ走法”
オリンピック競技では、エネルギー効率が数%違うだけで順位が変わります。避難でも同じで、省エネで動けるかどうかが生存率を左右する場面があります。
■⑥ トップアスリート理論を一般人に落とす
江戸走りの強みは、専門的な筋力や設備が不要なことです。
・特別な靴はいらない
・年齢を問わない
・短時間で体得できる
これは、防災教育において非常に重要な条件です。
■⑦ スポーツ×防災の新しい接点
オリンピックをきっかけに「走り方」が注目される今、江戸走りをスポーツ教育と防災教育の共通言語として使うことができます。運動が得意でない人にも伝えやすいのが利点です。
■⑧ 消防・行政の視点から見た可能性
消防訓練や地域防災訓練でも、「速く逃げる」ではなく「長く安全に動く」視点はまだ十分に浸透していません。オリンピック的な科学視点と、江戸の知恵を組み合わせる価値は大きいと感じています。
■まとめ|世界基準は「生き延びる動き」
オリンピックが追求するのは、人間の限界効率です。
江戸走りが教えてくれるのも、同じく「無理をせず、生き延びる動き」。
競技の世界と防災の現場は、実は同じ方向を向いています。

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