災害対応にドローンを導入する際、「どれを選べばいいのか分からない」という声を現場で多く聞いてきました。
元消防職員として被災地派遣やLO業務に関わる中で痛感したのは、災害現場で使えるドローンと、趣味用途のドローンは別物だということです。
■① 災害対応ドローンに求められる前提条件
災害時のドローンは、空撮ができれば良いわけではありません。
・短時間で立ち上げられる
・操作が直感的である
・通信が安定している
この3点が揃っていない機体は、現場では使われなくなります。
■② 赤外線カメラが必須な理由
災害現場では「見えない」状況が常態化します。
・夜間
・煙や粉じん
・瓦礫の下
赤外線カメラがあることで、熱源として人の存在を捉えられる可能性が一気に高まります。
■③ ズーム機能が判断精度を左右する
ズーム機能は記録用ではなく、判断用です。
・遠距離から危険箇所を確認
・建物上部の損傷を拡大確認
・斜面の亀裂を接近せず把握
ズーム性能が低いと、結局人が近づく必要が出てしまいます。
■④ 飛行安定性と耐風性能の重要性
災害時は風が強い状況が多くなります。
・台風後
・火災旋風
・山間部の乱流
安定してホバリングできる機体でなければ、映像は使い物になりません。
■⑤ バッテリー性能は「飛行時間」だけで選ばない
重要なのは最大飛行時間よりも、
・バッテリー交換の速さ
・寒冷時の性能低下
・予備バッテリーの管理性
被災地では充電環境が限られるため、運用のしやすさが重要です。
■⑥ 操縦者の負担を減らす設計か
災害対応では操縦者も強い緊張状態にあります。
・自動ホバリング
・障害物検知
・帰還支援機能
これらがあることで、判断に集中できます。
■⑦ 被災地派遣で実感した「過剰性能」の落とし穴
現場では、高機能すぎる機体が使われないこともあります。
・設定が複雑
・立ち上げに時間がかかる
・トラブル対応が難しい
「誰でも一定レベルで使える」ことが最優先です。
■⑧ 自治体・消防で導入する際の現実的な選択
消防・自治体での導入では、
・複数人が操作できる
・訓練が簡単
・メンテナンスが容易
この条件を満たす機体が長く使われます。
■まとめ|災害対応ドローンは「見える力」を買う
結論:
災害時のドローン選びは、空撮性能ではなく「判断を助ける機能」で決めるべきである。
元消防職員としての現場経験から、
赤外線・ズーム・安定性を備えた機体は、二次災害を防ぐための重要な装備だと断言できます。

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