災害現場でドローンを使おうとしても、「飛ばせない」「止められる」という場面は少なくありません。被災地派遣やLOとして現場調整をしてきた立場から言うと、ドローン活用の成否は“技術”よりも“法と調整”で決まります。
■① 災害時でも航空法は原則適用される
ドローンは平時と同様、航空法の規制対象です。人口集中地区、夜間、目視外飛行などは原則として許可・承認が必要になります。
■② 「緊急時だから自由に飛ばせる」は誤解
現場では「人命救助だからOK」と思われがちですが、無秩序な飛行はヘリや救助活動の妨げになります。実際、空域調整ができていないドローンが活動停止を招いた例もあります。
■③ 消防・警察が優先される特例の考え方
災害対応では、消防・警察・自衛隊の活動が最優先です。自治体や消防が主体となる場合、関係機関間の調整により特例的な運用が可能になります。
■④ 事前協定がある自治体は強い
平時にドローン事業者や団体と災害協定を結んでいる自治体では、発災直後から運用に入れます。これは現場で大きな差になります。
■⑤ 被災地派遣で見た「止まるドローン」
法的整理や連絡系統が曖昧なまま飛行しようとすると、現場指揮所でストップがかかります。準備不足は、結果的に人命救助の遅れにつながります。
■⑥ 空域調整の重要性
ヘリ、無人機、人の活動が重なる災害現場では、空域管理が不可欠です。ドローンは「見える位置」より「全体の調和」が求められます。
■⑦ 民間ドローンの立ち位置
民間ドローンは、指揮命令系統の中に組み込まれて初めて力を発揮します。単独行動ではなく、行政と一体での運用が前提です。
■⑧ 今後求められる制度整備
災害特化型ドローン運用ルールや即時許可の仕組みが整えば、初動対応のスピードはさらに上がります。
■まとめ|飛ばせるかは「準備」で決まる
結論:
災害時のドローン活用は、技術ではなく法理解と事前調整体制が成否を分ける。
元消防職員として、現場で活きるのは「飛ばせるドローン」ではなく「使える体制」だと断言できます。

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