【防災士が解説】保険金請求のための写真・証拠の取り方

災害後、火災保険や地震保険を使おうとして「証拠が足りず支払われなかった」というケースは少なくありません。被災地で実際に多かったのは、被害そのものよりも「記録が残っていない」ことによる申請トラブルです。保険金請求を確実に通すための、写真と証拠の残し方を整理します。


■① 撮影は「片付ける前」が原則

災害直後は一刻も早く片付けたくなりますが、保険請求では被害発生時の状態が最重要です。被災地派遣では、清掃後に申請しようとして証拠不足になる例を多く見ました。安全確保後、まず記録を残すことが最優先です。


■② 全体・中距離・アップの3段階で撮る

写真は一方向から1枚だけでは不十分です。建物全体、被害箇所の位置関係、破損部分のアップという3段階で撮影すると、損害の因果関係が伝わりやすくなります。


■③ 日付と場所が分かる形で記録する

撮影データには日時情報が残りますが、可能であれば周囲の目印や住所表示も写し込みます。現場では「いつ・どこで起きた被害か」が確認できず、追加資料を求められるケースがありました。


■④ 被害前の写真も重要な証拠になる

被害後の写真だけでなく、平時の家屋や家財の写真があると、損害額算定がスムーズになります。日常的に家の中や外観を撮影しておくことも、防災の一環です。


■⑤ 家財は一つずつ細かく撮影する

家財保険を請求する場合、まとめて撮った写真では認められないことがあります。家具・家電・非常用品などは個別に撮影し、型番や破損状況が分かるように記録します。


■⑥ 動画も併用すると説得力が高まる

浸水や傾き、雨漏りなどは写真だけでは伝わりにくい場合があります。被災地では動画記録が有効だったケースも多く、補助資料として活用できます。


■⑦ 修理・処分前に必ず記録を残す

応急修理や廃棄を急ぐと、後から証拠が残らなくなります。実際の現場では、業者が修理に入った後に「保険が使えなかった」という相談もありました。作業前の記録が重要です。


■⑧ データはクラウドで保管する

災害時はスマホやPCが故障する可能性もあります。撮影した写真や動画は、早めにクラウドへ保存しておくと安心です。これは自律型避難の視点でも重要な備えです。


■まとめ|保険請求を通すための記録の考え方

保険金請求では「被害があった事実」を客観的に示すことが求められます。写真や動画は、その最も有効な手段です。片付けよりも先に記録する意識が、被災後の生活再建を大きく左右します。

結論:
保険金請求の成否は、災害直後の「記録行動」でほぼ決まります。
防災士として被災地を見てきた経験からも、写真と証拠を残す行動は、生活を守るための現実的な防災行動だと強く感じています。

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