【元消防職員が解説】防災×消防教育|女性活躍推進研修における課題と現場に即した工夫


■① 女性活躍推進研修の位置付け

女性活躍推進研修は、女性消防職員が継続的に能力を発揮し、現場・組織の両面で活躍できるようにするための特別教育です。人材の多様化は、防災・消防活動の質を高める重要な要素とされています。


■② 女性職員が少ない本部で生じる実情

女性職員数が限られている消防本部では、同一の女性職員が複数回研修を受講するケースが生じます。これは育成の観点では前向きである一方、講義内容の重複を避ける工夫が不可欠となります。


■③ 開催ごとに講義内容を変更する意義

講義内容を毎回見直すことで、受講者の経験年数や立場に応じた学びを提供できます。基礎理解から実務対応、さらには後輩指導や組織内調整まで、段階的に内容を深めることが可能です。


■④ 講師選定が難航する背景

講師選定が難しい要因として、女性消防職員の絶対数の少なさ、現場業務との両立、特定分野に知見が集中しやすい構造があります。結果として、限られた講師に負担が偏る傾向が見られます。


■⑤ 被災地派遣・LO経験から見える研修ニーズ

被災地派遣やLOとしての活動では、女性職員が避難所対応、要配慮者支援、生活支援調整などで重要な役割を担う場面を数多く見てきました。こうした現場経験を研修に取り入れることは、実践的な教育につながります。


■⑥ 講師確保に向けた現実的な工夫

消防内部に限定せず、他本部の職員、行政職、防災・医療・福祉分野の専門家などを講師として招くことで、研修内容に幅を持たせることができます。オンライン講義の活用も、講師確保の有効な手段です。


■⑦ 複数回受講を前提とした研修設計

テーマ別・レベル別に研修を構成することで、同じ受講者でも新たな視点を得られます。リーダーシップ、現場マネジメント、ハラスメント対応、災害対応事例などを段階的に配置することが効果的です。


■⑧ 今後の女性活躍推進研修の方向性

女性活躍推進研修は単独で完結させるのではなく、初任教育・専科教育・管理職研修と連動した育成体系の一部として位置付けることが重要です。個人支援にとどまらず、組織全体の防災力向上を目的とした取組が求められます。


■まとめ

女性活躍推進研修は、受講者が限られる本部ほど設計力が問われる教育分野です。講義内容の工夫、講師の多様化、段階的な研修構成を通じて、継続的かつ実効性のある人材育成を進めることが、結果として現場の防災力強化につながります。

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